現在、私は写真をベースにした現代アーティストとして活動しています。その原点は、大学時代の旅にあります。大学の休暇を利用して初めて一人でバックパッカーとして訪れたエジプトやヨーロッパ、メキシコ、タイ、ベトナムで、言葉では表現しきれない出来事に出会い、「この体験を残したい」という思いから写真を始めました。当時は大学の世界旅行サークルにも所属し、異文化や旅を愛する仲間たちと語り合った日々は、今でも大切な思い出です。
1994年4月、私は3期生として東洋学園大学に入学しました。当時はまだ卒業生がおらず、新しい大学だったからこそ、既存の枠組みにとらわれることなく、自分たちの手で大学の「中身」をつくっていけるような自由な空気がありました。その環境が、新しいことに挑戦する姿勢を育んでくれたように思います。
卒業後は、大学で学んだ日本語教育を生かしてイギリスでボランティア活動を行い、その後も旅や写真、日本語教育に携わりながら東京で生活しました。現在はカナダに拠点を置き、写真を通して人や社会、時間の流れを見つめる作品を制作しています。
2026年7月1日~18日、東京(S3 Gallery TOKYO)で個展「A Tree-舞」(写真1)を開催するため、私は10年ぶりに一時帰国しました。展示には大学時代の友人たちが足を運んでくれ、30年ぶりの再会も実現しました。学生時代の思い出話に花が咲き、笑いの絶えない時間を過ごす中で、大学時代に築いたつながりが今も変わらず続いていることを改めて実感しました。

(写真1)
今回の展示「A Tree-舞」は、「老い」をテーマに、時を重ねた木々や手をモチーフとし、手漉き和紙へのシアノタイププリント(写真2)、映像、アーティストブックで構成しています。アーティストブック『A Tree-舞』は、年老いた母へのインタビューをもとに、記憶や人生の歩みをたどる作品です。制作は、母の記憶に耳を傾けるという個人的な動機から始まりましたが、次第に家族や社会、母が生きた時代の変化を見つめる作品へと広がっていきました。友人たちの勧めもあって出版に至り、その編集を引き受けてくれたのは、大学時代にエジプトで出会った友人でした。彼女の存在がなければ、この本は

(写真2)
開学間もない東洋学園大学で出会った仲間との縁は、30年以上を経た今も私の創作を支えています。今回の個展の開催は、そのことを改めて実感する機会となりました。大学時代に育まれた人とのつながりは、時を重ねた今も私にとってかけがえのない宝物です。
S3 Gallery TOKYO ギャラリーサイト:https://www.s3gallery.jp/current-exhibition