流山のみどりが美しい1995(平成7)年5月、「翌春の第1回卒業生を本校の校歌で送ってやろうよ」、との宇田正長理事長の鶴の一声で1992年に設立された東洋学園大学の校歌作りが始まった。当時の学生委員会の遊佐先生、池谷先生、谷本先生らを中心に校歌に込めるメッセージについて話し合った。流山の地に開学した大学にふさわしく、伝統の重みと創設の意気込みなどを歌詞に表現したいとの思いが一致した。
東洋学園大学の誕生の源は、1917(大正6)年明華女子歯科医講習所の開校に始まる。子弟を教育すること、さらにその教育を基にして社会において一個人として自立することを目的とする建学の精神は、1921年の明華女子歯科医学専門学校を経て、1926年東洋女子歯科医学専門学校が文部省により指定認可されるに至って見事に達成された。さらに1947(昭和22)年には当時は稀な男女共学の旧制東洋高等学校(理科乙類)が設立された。1950年開学の東洋女子短期大学を経て東洋学園大学にも、この東洋高等学校の共学の精神が継承された。
ひとつの小さな学校が社会的諸条件の制約の中、王道を歩み、長い年月をかけて東洋学園大学として結実した。その大学で学ぶ若者たちを祝福し応援したい気持ちを表現していくことを話し合った。また男女共学であることから、男子学生にも女子学生にも歌いやすい表現と内容が必要であると考えた。
ちょうど4学年が揃った在学生たちの気持ちを知りたいということで、先ず歌詞を募集することとした。歌詞募集のために右のポスターも作成した。
先生方が授業で在学生たちに話して下さり、少々苦労しつつ歌詞を集めた。学生さんたちの意見も参考にしながら歌詞のための具体的な項目について話し合いを重ねた。その結果、以下の点を表現することを主眼とすることに意見が一致した。
以下が東洋学園大学生有志によって作成された歌詞である。
宇田正長理事長の人脈から、洗足学園大学で教鞭をとられる作曲家の篠原真先生がこの歌詞に美しい旋律をつけて下さった。
‘Allegretto やさしさとあこがれをもって’ の注は、この歌にふさわしい。
2006(平成18)年から、東洋学園では1~2年次を流山、3~4年次を東洋学園発祥の地である文京区本郷で学ぶというキャンパス共有化が始まり、学生達は本郷でも学ぶようになった。そのため、2009年度に流山の歴史や自然を描写した歌詞の一部を変更することが決定し、学生委員会の大村先生や鈴木先生と話し合い、以下のように本郷キャンパスに関する記述も加えた。
以下が2009年度に一部変更された歌詞である。
東洋学園大学校歌は、旋律につけられた注の如く美しい憧れをもって若者たちの明るい未来を祝福している。
卒業生たち
十年後も、二十年後も、そして百年後も...
天金の十年日記二日月
2024年11月 水野節子記