2011年後期「東洋女子歯科医学専門学校と元帥・東郷平八郎」
期間 2011年11月21日~2012年1月27日
東郷平八郎(1848~1934)は日露戦争時の連合艦隊司令長官としてロシア海軍と対峙し、日本海海戦で近代海戦史上類を見ない完全勝利を収めた海軍軍人として世界的に知られています。
一方、旧制東洋女子歯科医学専門学校創立時からの専任教員で附属病院長も務め、戦後は日本歯科医師会第2代会長となった入交直重(いりまじりなおしげ 1887~1960)は東郷平八郎晩年の歯科主治医でした。入交直重は高知県の出身で、同郷の三菱創業家である岩崎家の支援でノースウェスタン、ペンシルバニア両大学に留学、1919年に帰朝して開業し、以来本学の女子歯科医育に長く携わりました。
岩崎家との繋がりもあって牛込区(現、新宿区)新小川町の入交歯科医院の患者には吉田茂首相ら各界名士が多く、東郷平八郎もその一人でした。新小川町は別名大曲、文京区後楽と江戸川(神田川)を挟んで接し、本学からほど遠からぬ場所です。
常設の本学教育史展に関連する小コーナーとして、入交歯科医院が所蔵する東郷平八郎元帥の総義歯、元帥から入交直重教授に贈られた書などを公開します。歯科治療を通じた両者のエピソードを通じ、戦前の東洋女子歯科医専時代をご理解いただければ幸いです。