2021年11月19日 寄贈

竹内成志氏来学の記事(2021年11月9日)

建築家・今井兼次の助手として本学の陶片モザイク壁画フェニックス・モザイクの制作現場で指導にあたった竹内成志氏(後に多摩美術大学教授)が60年ぶりに再訪され、多くの証言をもたらされました。

当日は氏が所蔵するアルバム、資料をご持参下さり、うちカラーポジフィルム20点を受贈、アルバムに貼付されたモノクロ写真は本学に関係する範囲で複写させていただきました。

ポジは僅かながら波打ちと酢酸臭が生じ、放置すれば今後、急速に劣化が進行します。このため2022年5月に複製(デジタル化)し、現場の片付け、清掃も済まない1961(昭和36)年1月完成直後の鮮明なカラー写真が現れました。

これまで当時のカラー写真は印刷の絵はがきしかなく、精細なポジフィルムの出現によって現存する「岩間がくれの菫花」現状と制作当初の比較が可能となり、その結果、ガラス部材や目地の一部に劣化があることが分かりました。完成当時の原状を伝え、かつ今後の維持、保存に資する貴重な資料です。

マウントに収められたポジフィルム。