月報Monthly report

2012年度

2012年11月21日

大学アーカイブセミナー「東邦大学アーカイブズの実践報告」(東邦大学大森キャンパス医学部本館)に参加。

出版文化社アーカイブ研究所主催、大学アーカイブセミナー「東邦大学アーカイブズの実践報告」

於:東邦大学大森キャンパス医学部本館3F第3セミナー室

講演:小関有希氏「学園歴史資料室を立ち上げる ~地下倉庫発掘から「梅ちゃん先生」特需まで~」ほか

見学:額田記念東邦大学資料室、東邦大学医学部本館

東邦大学の前身は旧制帝国女子医学専門学校です(後に薬学、理学を加える)。2008年7月の地下倉庫での資料発見から2010年6月の資料室開室に至る経緯、大学史を媒介とする地域との連携は本学の経験と酷似しており、本稿執筆者も過去、全国大学史資料協議会東日本部会研究会で同様の報告をしたことがあります。

参考:2008年12月11日

今回のご講演は4年前の本学報告など及びもつかない整った内容で、資料発見から常設展示の開設、NHK朝の連続テレビ小説「梅ちゃん先生」“城南女子医学専門学校”のモデルとなり、これをきっかけに地域との連携を深め、広報素材としての大学史を活用されている現状をお話しいただきました。

戦災を唯一免れた医学部本館を詳細にご案内いただきましたが、建築物というハード、医学教育というソフトが建学以来継続している点、本学と大きく異なるところで、同じ大正期に発足した女子の医育機関ながら戦後は異なる道を辿り、率直にうらやましく思います。

東邦大学大森キャンパス(医学部・看護学部・東邦大学医療センター大森病院)。職務柄、医科系大学を訪れる機会が多く、東洋女子歯科医専・東洋高校(理乙)が新制大学として生まれ変わっていたらどうだったかと思わざるを得ません。
1929年竣工の医学部本館玄関ポーチ。当時流行したスクラッチタイルが特徴的な建築です。手入れが行き届いた外観、内装から維持に心を砕かれていることが窺えます。基本的には創建当時のままということでした。奥に創立者額田晋、豊先生像、写真の右にはご兄弟の母堂、額田宇多女史像があります。
本館1階に額田記念東邦大学資料室があります。大きな窓から差し込む自然光の紫外線対策、気密度の低い室内の空調対策を伺いました。扱う対象の時代の建築は、そのような不利を補って余りある財産です。木造の窓枠、ドア、腰羽目板が良い雰囲気を醸していました。