2016年度
2017年1月19日
往訪:成蹊大学成蹊学園史料館(学校法人成蹊学園評議員・上田祥士先生)。
2009年5月16日の日本寮歌学会会場が成蹊大学で、その際に成蹊学園史料館も見学しました。史料館は正門を入ってすぐ右の独立した建物で、歴史を大事にされていることが印象に残りました。
その後、成蹊学園は2012年に100周年を迎えられ、同史料館は2015年末に全面リニューアルされました。リニューアル完了の第一報は、同年暮の日本歯科医史学会納会で上田祥士先生から伺いました。上田先生は成蹊学園校医、学校法人評議員です。先生からはまた、新制成蹊大学政治経済学部に1949~64年の間、プレメディカルコース(医歯学進学課程)が設置されていたことを伺い、意外な歴史に驚いたことでした。
それから1年が経ち、リニューアル後の同館を訪ねる機会を得ました。
実地に見て、新たな展示に利用された資料の多くが、予期以上に上田先生の所蔵品に負っていることが分かりました。資料の数、その見せ方から、リニューアルが上田先生の指導、構想の下に進められたことがよく分かりました。
従前に比し、恵まれたスペースを生かして章立てがより明確となり、歴史展示を通じて成蹊教育の特色がよく理解できる構成となっています。過去が単なる過去でなく、過去の集積の上に今日のあることが強く、静かに伝わってくる展示でした。
もとよりパネル、動画なども全面的に更新され、そのデザイン、技法は最新のもの、大いに刺戟を受けました。多くの方に足を運んでいただき、ご覧いただければと思います。
年史編纂と公刊(『成蹊学園百年史』2015年7月)、史料館リニューアルのほか、自校出身の俳優を起用した映画製作、雑誌『東京人』とタイアップした特集号など、周年行事の多様なあり方を学ばせていただきました。
次項(1月23日)でライオン(株)の研究所が編纂した出版物に関わったことを報告します。ライオン(当時、(株)小林商店)が1921年、日本で最初に児童専門の歯科診療所として設立したライオン児童歯科院は日本の口腔衛生史上、重要な地位を占めます。そこで院長として活動した歯科医師が岡本清纓(おかもときよふさ 1894~1983)です。上田先生は岡本清纓の孫にあたります。
参考:上田祥士『岡本清纓 歯界遍歴の足跡』 医歯薬出版 2010年
長時間に亘りご案内下さった上田先生、山川晴美様、スタッフ各位に御礼申し上げます。
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象徴的な景観の正門(※画像一部修正:人物)。 |
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正門のすぐ右にある成蹊学園史料館外観。外見は変わりませんが中は完全に一新されています。 |