月報Monthly report

2010年度

2010年6月4日

東洋女子歯科医学専門学校17回生(昭和17年卒)樋口民子先生(5月10日記事参照)を訪問。展示用作品1点返却(残り1点はご寄贈)。当日、以下の東洋女歯関係資料を受贈。

  1. 『昭和十七年度卒業記念寫眞帖 東洋女子歯科医学専門学校 おもひで』
  2. ご母堂所用アルコールランプ 大正15年(推定)
  3. ご母堂所用トレー(上顎用) 昭和初期
  4. ご母堂所用トレー(下顎用) 昭和初期
  5. 実習作成模型 19点(ポスト3本、彫刻〔石膏〕4点、天然歯:インレー〔銀 上4,5番、下6番〕3点、アマルガム充填4点、抜髄4点、前歯クラウン1点) 昭和13~17年
  6. 抜歯77点(ガラスケース入、及びブリッジ1)
  7. 総義歯(上顎用、金属床・陶歯 故ご夫君作成) 昭和45年頃

卒業アルバム『昭和十七年度卒業記念寫眞帖 東洋女子歯科医学専門学校 おもひで』外ケース。昭和17年度は初出です。他、貴重な資料を多数頂戴いたしました。その一部を紹介します。
アルバムより、当時のカルテ。Inst.(指導担当)のサインは附属病院副院長の岩橋章先生(口腔外科学)。
同じくアルバムより、歯科材料店(三羽歯科材料店)と売店・食堂(亀屋)の鮮明な写真が数点ありました。校章(TDC)は1コ50銭です。
実習で使用したポスト3本、作成模型(彫刻〔石膏〕4点、天然歯:インレー(銀 上4,5番、下6番〕3点、アマルガム充填4点、抜髄4点、前歯クラウン1点。
大正末期に検定で歯科医になられたご母堂が使用されたアルコールランプ。都市ガスは大都市の一部にしか普及していない時代です。
同じくご母堂が使用されたトレー。
樋口先生は後にドイツ文学者、作家となる中野孝次氏(1925~2004)と戦前から交流を持たれ、熊本五高時代の同氏からの便りをお持ちでした。高等教育が限られたエリートのためのものだった戦前、数少ない高等教育機関の学生同士ということで、医学部を主とする東京帝国大学学生との交流が盛んでした。これは私信につき頂戴せず、写真のみ。共通の友人の出征を見送った感慨が記されています(プライバシー保護のため一部伏)。