「自彊不息」、
自分のフィールド、
原点を確立する旅へようこそ
東洋学園大学学長
辻中 豊
東洋学園大学は、時代の大きな転換期である大正末から昭和にかけての時期に建学され、本郷台地の先端において、100年の歴史を刻んできました。五経最古の『易経』に発する自彊不息は本学の建学の精神であり、同じく大転換期に生きる21世紀の私たちにとっても大切な言葉です。といってもとても古い言葉なので少し説明が必要ですね。
自彊の「彊」という字をよく見ると、弓と一と田と一と田と一から成っています。田んぼを区切り弓で守る、という意味を表す象形文字ですね。つまり、自彊不息というのは、自分の愛するフィールドをしっかり自分で強化し続ける、ということですね。
たゆまず自ら努めて励む、学び続けることですが、まず大切なのは、自分の好きなフィールドを見つけることです。好きなフィールドさえ見つかれば、難しいことではないでしょう。それが好きなのですから。
でも、自分の好きなフィールドはどこにあるのでしょうね。実はそれが問題です。特に自分がまだ何者でもない青年にとっては。一人ひとり違うはずですね。
漢字が示すように昔のお百姓さんには田や畑ですが、21世紀に生きる今の皆さんにとっては何でしょう。東洋学園大学は、時代の変化に応え国際人を育てる、とても面倒見のよい大学です。グローバルな視点としっかりとしたスキル、人間への深い理解、そして人の組織の経営、3つの角度からとても多彩な教員が、真摯に、そして丁寧に、皆さんの自身のフィールドへの旅をサポートします。
皆さんが、この大学(大学院)生活の中で、一生、続けていける、自分の好きなフィールドを見つけてほしい、そのためのあらゆる助力をしっかりしたいと私たちは考えています。
コロナ禍があり、思いがけない世界の政治経済の激動があり、これからの時代は濃霧の中にあるように見えますが、そうしたときにも、自分のフィールド、原点があれば、溢れる情報に惑わされず、道を迷わず、しっかりと毎日の生活を律し前進していくことができますよ。
ここ本郷キャンパスは、皆さんのフィールド探しに最適な場、出発点です。
日本の近代、150年余の知の旅は、皆さん同様、この本郷台地で始まったのです。ここから多くの道が伸びて行きますよ。
さあ、そろそろ出発の時ですね。ようこそ、楽しい自分探しの旅に。
辻中 豊
大阪大学大学院法学研究科公法学専攻(修士)。博士(法学)京都大学。コーネル大学客員(フルブライト、ACLS)研究員。筑波大学人文社会系教授、副学長。東海大学政治経済学部教授、副学長。国際大学協会アジア代表理事(2012-16)。日本政治学会理事長(2014-16)。学校法人東洋学園評議員、理事を経て現職。