お知らせ

「被害者学」の臨時講師として、犯罪被害者遺族の佐藤咲子さんが来学・講演

2015/01/14

12/3(水)、人間科学科の科目「被害者学」(宮園久栄教授)で、公益社団法人被害者支援都民センターの自助グループメンバーである佐藤咲子(さとう・さくこ)さんによる「犯罪被害者遺児になりて」と題する講演が行われました。

東洋学園大学_佐藤咲子さんの講演

佐藤さんは、15歳のころに強盗殺人事件によってご両親を亡くされ兄とともに遺児となりました。50年がたった今なお癒えない心の傷と闘っていらっしゃいます。

講演では、事件のあらましや、未成年の兄妹に対する支援や援助が無かった当時の状況、犯人に対する感情、被害者支援都民センターで心の痛みを共有し、ようやくご両親のお話ができるようになるまでの歩みなど、ご自身の体験をありのままにお話しいただきました。

講演の最後には、「『ふつう』ということが本当に幸せ」「苦しいことや悲しいことがあったとしても、命を大切に、前向きに歩んでほしい」というエールもいただきました。

東洋学園大学_佐藤咲子さんの講義(2)

量刑の判断基準と被害者感情とのギャップ、法整備ではカバーしきれない心の傷に対するケアの必要性など、当事者である佐藤さんの言葉はとても重たく、心に響くものでした。

被害者や遺族に対する公的支援は、まだまだ不十分です。
また、自ら「犯罪被害者だ」と名乗り出なければならないという精神的な負担もあって、充分な支援を受けるに至っていない被害者の方々もたくさんいらっしゃいます。

被害者の方々が心に負う傷の深さや支援の現状に学生たちも強い衝撃を受けており、授業の終わりには講演の感想と佐藤さんへのメッセージを一生懸命に書く学生の姿が見られました。