お知らせ
環境金融研究機構代表の藤井良広氏が来学・講義
2015/12/10
12/7(月)、地球環境分野の第一人者であり、現在は上智大学客員教授と一般社団法人環境金融研究機構(RIEF)代表を務める藤井良広氏が来学。
グローバル・コミュニケーション学部の「国際環境協力ゼミ」(古屋力教授)で講義を行いました。
藤井氏は日本経済新聞社を経て上智大学教授に就任、内閣府官房国際経済研究会委員や環境省中央環境審議会臨時委員を務めるなど、地球環境分野の第一人者として長年に渡ってご活躍されています。
今回は、「金融で解く地球環境」をテーマに特別講義をしていただきました。
講義では、オランダの環境銀行「トリオドス銀行」等の地球環境問題に積極的に関わる先駆的金融機関の事例に触れつつ、「環境金融」の考え方についてご説明いただきました。
そして、金融が、“コスト対策”、“ビジネス機会”の両面で機能し、環境を適切に評価できれば、より合理的に経済社会に環境要因を取り組むことができるはずだとの視点から、「環境債務(Environmental Liability)」を企業のバランスシートに載せることにより環境に配慮した経営決定を促す意義を解かれ、環境問題や社会問題をどのように格付けし金融商品として扱ってゆくのか、環境税と排出権取引制度の類似点は何かといった「環境金融」の実情についても丁寧にご解説いただきました。
また、「世界中で必要とされる温暖化対策費用は年間6000億ドルから1兆ドル前後と言われているが、世界の金融市場には約212兆ドルあり、この資金を、温暖化を抑制する分野に誘導できれば十分に賄うことが可能である」と、今後の環境金融の役割の重要性と発展可能性についても力説されました。
こういった金融の視点から地球環境に貢献するという斬新かつ刺激的な内容に、ゼミ生たちからの質問も相次ぎ、講演後も学生が直接藤井氏に質問し意見交換をするなど、大変活発なゼミ活動となりました。