お知らせ
宇沢国際学館取締役の占部まり氏による「企業活動と環境」特別講義の模様
2017/01/05
12/8(木)、グローバル・コミュニケーション学部の3年生科目「企業活動と環境」の招聘講師として、宇沢国際学館取締役で内科医の占部まり氏が来学。
「社会的共通資本と地球環境と医療-その課題と展望-」というテーマで特別講義をしていただきました。
古屋教授(左)と占部まり氏(右)
占部氏は世界的な経済学者である故宇沢弘文東京大学名誉教授の長女で、現在は地域医療の充実を目指して日本内科学会総合専門医として活躍されるかたわら、宇沢国際学館取締役として、社会的共通資本と地球環境と医療の課題に関する研究・講演活動をされています。
講義ではまず、「社会的共通資本」とは何か?について説明いただきました。
「社会的共通資本」とは、ゆたかな経済生活を営み、すぐれた文化を展開し、人間的に魅力ある社会を持続的・安定的に維持することを可能にするようなもののこと。
例えば海や山などの自然環境、道路や電気・ガスのようなインフラ、教育、医療などの制度といったものが挙げられます。
社会全体にとっての共通の財産であるこれらの「社会的共通資本」について、学生たちとの間での活発な意見交換が行われました。
さらに、環境問題とも密接不可分な「ゆたかな社会」とは何か?についてどう考えるのかについても、学生と自由闊達な意見交換を実施。
気候変動問題の元凶である二酸化炭素等の温室効果ガス削減を促進するためのグローバルな施策としてとして、炭素税の税率を一人当たりの国民所得に比例して定める「比例型炭素税」を導入するという宇沢弘文氏のアイデアについても、学生と占部先生との間で自由な意見交換が行われました。
ノーベル経済学賞に一番近いとも称された経済学者、故・宇沢弘文氏
占部先生ならではの含蓄にとんだ面白い講義に、学生たちも熱心に聞き入り、意見交換も盛り上がりました。時間切れで講義が終了した後にも個別に質問する学生もおり、占部先生のお話がいかに心に響いたかをうかがえるシーンでした。