お知らせ
ホリプロの舞台公演プロデューサーを招いてアーツマネジメントを学ぶ特別講義の様子
2017/07/05
6/28(水)、株式会社ホリプロ公演事業部ファクトリー部主任の吉永千紘(※「よし」の正式表記は土に口)氏が来学。
現代経営学部の「アーツマネジメント研究ゼミ」(今井克佳教授)にて、舞台公演のプロデュースに関する特別講義を行いました。
講義は吉永氏と今井教授の対談形式で行われ、芸能人のマネジメントをはじめとしたホリプロの事業概要を解説。
そのひとつとして、演劇やミュージカル等の舞台公演を主催する公演事業部ファクトリー部の業務内容と、舞台公演の中でも劇団の枠を超えて演出家や出演者・スタッフを集め、ひとつの“カンパニー”を作って公演を行う「プロデュース公演」という興行形態についてご説明いただきました。
その上で、実際に吉永氏が手がけた『ライ王のテラス』(2016年)や『Clementia(クレメンティア)~相受け入れること、寛容~』(2016年)、『リトル・ヴォイス』(2017年)という3つの公演を例に、舞台公演において「プロデューサー」がどのような役割を果たしているのかをお話いただきました。
プロデューサーの役割は吉永氏いわく「縁の下のさらに下の力持ち、のようなもの」。
その業務内容は、公演の企画、出演者・スタッフのキャスティング、予算管理、宣伝など多岐に渡り、専門職であるスタッフ・キャストを束ね、調整する重要な役割です。
吉永氏がプロデューサーとしてカンボジアでのオーディションや宣伝用の現地取材にも関わった日カンボジア共同制作の舞台『ライ王のテラス』では、日本とカンボジアの言語・文化の違いを調整することや、三島由紀夫ファンと主演俳優のファンという全く違うファン層を同時にターゲットとする難しさがあったそうです。
また、ダンスと歌、楽器(三味線・ジャズピアノ)、人形舞など異ジャンルコラボに挑戦した舞台『Clementia』を例にジャンルを超えた舞台の魅力について教えていただいたほか、東京を皮切りに地方での公演を行った『Little Voice リトル・ヴォイス』を例に、会場の規模や設備が各地で異なる地方興行の難しさについても学びました。
質疑応答では、「今後やりたい企画、公演は?」「原作ファンと俳優ファンの層の違いに制作面・演出面でどのように対応したのか」「プロデューサーとして人を束ねるコツは?」など、さまざまな疑問にお答えいただき、普段は表に見えない“裏方”の仕事について学ぶ大変貴重なチャンスとなりました。