お知らせ
松本(美)ゼミと今井ゼミの合同企画、ロミオとジュリエットの翻訳上演プロジェクトがスタート
2018/01/11
英語コミュニケーション学科の「翻訳研究ゼミ」(松本美千代教授)と現代経営学科の「アーツマネジメントゼミ」(今井克佳教授)による、シェイクスピアの戯曲『ロミオとジュリエット』の翻訳&上演を目指すプロジェクトが始動。
12/13(水)に、松本ゼミの学生が現代語に訳した台本をプロの俳優2名に朗読していただく特別講義を行い、50年超の歴史を持つ新劇の劇団「秋田雨雀・土方与志記念 青年劇場」に所属する俳優の船津基氏と小泉美果氏を特別講師としてお招きしました。
特別講義の様子
俳優の船津基氏
俳優の小泉美果氏
特別講義ではまず、翻訳と台本制作を担当した松本ゼミの学生が翻訳のポイントについて一言ずつ発表しました。
同ゼミでは『ロミオとジュリエット』の抄訳版台本を約半年かけてゼミ生全員で翻訳。
発表の1週間前に完成したそうです。
発表では、多くの学生が古典的なセリフまわしやジョーク、登場人物の持つ文化背景など、現代日本とは全く異なる時代背景や文化を踏まえて翻訳することの難しさをポイントとして挙げていました。
松本ゼミのゼミ長による発表
さらに、「古語(古英語)や、省略されている単語を自分たちで解釈していくのが面白かった」「キャラクターに合った言い回しやセリフになるよう、意見を出し合って考察するのが楽しかった」などの意見も聞かれ、どの学生も戯曲翻訳ならではの難しさと面白さ、やりがいを感じたようです。
その後、船津氏と小泉氏による朗読会を実施。
大勢の登場人物を2人で入れ替わりながら表現し、身体全体を使った朗読の熱演ぶりに、どの学生も釘付けになっていました。
朗読後は、学生との意見交換を実施。
学生からは、間の使い方や抑揚、情景が浮かぶような表現の素晴らしさに驚いたという声のほか、「翻訳しているときは予想もしなかったような表現が見えて勉強になった」という感想も。
翻訳を指導した松本教授は「翻訳では文字と向き合ってきたが、上演していただくことで言葉に命が吹き込まれた」と感謝を述べました。
松本教授(右端)
また、小泉氏からは、シェイクスピアの特徴である“かけ言葉”やイギリス文化をベースにしたジョークなどを現代に通じるように訳したことに評価をいただいた一方で、「翻訳としては正しいけれど舞台上の動きとしてはおかしい」「原文が受動表現でも、セリフとしては能動表現のほうが良い」など、実際に演技をする俳優ならではの視点で、参考になる指摘をしていただきました。
今井教授(右端)と船井氏、小泉氏
最後に、今井ゼミの学生が上演に向けての検討内容をプレゼン。
今後は今井ゼミの学生が中心となり、来年10月の学園祭に照準を合わせて企画やマネジメントについて詳細を詰めていく予定です。