お知らせ
92カ国18万人の外国人観光客を迎えた家族旅館、「旅館 澤の屋」館主の澤氏が来学
2018/06/21
6/13(水)、現代経営学部の「マーケティング戦略」(本庄加代子准教授)にて、「旅館 澤の屋」館主の澤 功氏による特別講義が行われました。
「旅館 澤の屋」(以下、澤の屋)は、東京の台東区谷中に建つ日本旅館です。
客室は和室、風呂は共同という昔ながらの家族旅館でありながら、温かな“おもてなし”が評判を呼び、これまで92カ国・のべ18万人以上の外国人観光客が宿泊。
世界的に有名な旅行ガイドブック「ロンリープラネット」で紹介され、有名旅行口コミサイト「トリップアドバイザー」で殿堂入りするなど、世界中の旅行者に愛されています。
講義では、日本人向けの旅館だった澤の屋がなぜ外国人観光客向けの経営に踏み切ったのか、言葉の壁や文化の違いにどのように対応して92カ国からのお客様が満足するような“おもてなし”を行っているのか、といった澤氏の経営スタイルや理念について、多数の実例を挙げながらわかりやすくお話しいただき、学生との質疑応答も盛り上がりました。
中でも、澤氏の語った「全世界の全部の人が喜ぶプレゼントはない」、だから基本は“ご自由にどうぞ”というスタイルで、困った時はしっかりと手助けをするという旅館経営の考え方や、単語英語とジェスチャー、絵でどんな国の人ともコミュニケーションできる、というお話は学生たちにとって衝撃だったようです。
授業後には「今後東京オリンピックなどで外国人観光客が増加するため、日本全体での異文化理解が必要だと思った」「きちんと英語を話すことができて、マニュアル通りの接客ができていれば、それは良い対応だと思っていました。でも実際はそうではないんだと今回学ぶことができました」といった声が聞かれました。
また、地域と連携し、新しいものを作るのではなく古きよきものを無くさないようにする、ありのままの日本を見せたほうが喜ばれる、というお話にも、「オリンピックに向けて、日本人の見せたいものではなく、外国人の見たいものは何か考えてみようと思う」といった感想をはじめ、多くの反響がありました。
受講生の中には飲食店のアルバイトなどで外国人の方と日常的に接している学生も多かったようで、「外国の方に、日本の食の良さや文化など、日本の旅行が良いものだと思っていただけるような接客をしたい」、「『観光は平和へのパスポート』という考えを忘れず、これからも外国人・日本人のお客さまを楽しませようと思った」など、今回の講義を通じてインバウンドビジネスに関わる姿勢がより前向きになったというコメントも多く届きました。