Academic Life & Research
教育・研究
特別講座「世界の分断が進む中でアジア共同体を再認識する」第2回
2026.10.05
本学では、一般財団法人ユーラシア財団from Asia助成による特別講座を開講しています。
2年ぶりに開催される今年は、「世界の分断が進む中でアジア共同体を再認識する」という全体テーマのもと、アジアの諸問題に関する専門家や有識者を講師として招へい。
全15回のオムニバス形式で講義を行います。
9/24(木)に開催された第2回は、講師として元内閣審議官で、政治経済評論家の古賀茂明氏にご登壇いただきました。
今回の講義テーマは「日本再生の鍵は対中関係の再構築だ」。
豊富な実務経験を持ち、経済・政治を独自の視点からメディアや著書で発信している古賀氏に、戦後日本の安全保障や経済の歩みを振り返りながら、日本再生に向けた現実的な対中政策のあり方についてお話しいただきました。
講義冒頭、古賀氏は日本の外交安全保障の基本哲学として、日本国憲法前文に続き、第9条を紹介。
戦後日本の安全保障政策や平和主義の歩みを振り返り、近年の防衛政策の変化や安全保障関連の議論について言及しました。
東アジアの緊張感が高まる中、古賀氏は、近年の防衛力強化や外交方針の転換に伴い、国際社会における日本のかつてのイメージや平和路線がどのように変化しているかについて独自の分析を述べました。

古賀茂明氏
講義前半、古賀氏は長期にわたる景気低迷(「失われた30年」)の背景にある政治・行政システムや、エネルギー政策・産業構造の課題を指摘。
さらに、対米政策や現政権が今後直面する市場との向き合い方を予測し、日本の進むべき道を提示しました。

講義後半は、現代社会において情報伝達を担うメディアのあり方や世論が形成されるプロセスを取り上げました。
政治とメディアの距離感や、自身が遭遇した報道の自由に関する事例などを解説し、多様化する情報環境の中で国民が国際問題や政治課題に対してどのような認識を持つべきか、「メディアからの一方通行の情報に疑問を持つべき」と訴えました。
最後に、中国を中心とした世界に拡がるサプライチェーン(部品供給網)の結びつきの深さに着目し、経済的な中国とのデカップリング(切り離し)がもたらす影響や、今後の日本経済の針路について考察。
「中国インバウンド爆発から見えてくる世界における中国の評価を日本も認識し、中国と共に『世界からリスペクトされる国』を目指していくべき」と提起して、講義を締めくくりました。
講義終了後には質疑応答の時間が設けられ、「3年後の日本はどうなっているか。一言で言うと?」という質問に対し、厳しい見通しを含めつつも丁寧な回答をいただきました。
同講座は本学学生が履修するほか、一般の方も受講可能な公開講座として開講されています。各回の講師・テーマ、聴講のお申し込み方法は以下ページよりご確認いただけます。
一般財団法人ユーラシア財団 from Asia 助成 特別講座