改革にあたって最初に考えたことは、本学に足りないものを探すことではなく、
「本学がすでに持っている強みは何か」
を改めて問い直すことであった。
第一の強みは、東京・本郷という都心立地である。2016年以来、3学部1研究科が一つのキャンパスに集結している。
しかし私たちは、この立地を単なる交通上の利便性として捉えてはいない。
東京には、企業、行政、文化、メディア、観光、地域社会、NGO・NPO、各種団体、そして世界から集まる多様な人々が存在する。東京は世界有数の大都市であり、その都市そのものが巨大な教育資源である。
大学の教室の外には、社会そのものが広がっている。
私たちが目指すのは、
「東京にある大学」ではなく、「東京で学ぶことに意味がある大学」である。
第二の強みは、本学が長年培ってきた学生の成長を支える教育である。
本学では、学生が入学時点ですでに十分な自信や明確な目標を持っていることだけを前提にはしない。
大学での学びを通じて、
- 自分の関心や問い、強み、フィールドを見つける
- 人と関わる
- 新しいことを経験する
- 自分で考える
- 他者と協働する
- 自分にもできることがあると知る
- 社会の中で自分の役割を見つける
という成長を支えることを、本学教育の重要な役割と考えている。
第三の強みは、その教育を大学全体として体系化しようとしていることである。教育は個々の教員や授業だけに委ねられるものではない。大学として学生の成長を支え、そのプロセスを改善し、さらに社会へ伝えていくことが重要である。
そのため私たちは、教育を大学内部だけにとどめず、
「見える化」
することを重視している。
教育の内容と成果を教職員自身が理解できるようにする。学生自身が、自分は何を学び、どのように成長したのかを理解できるようにする。そして、高校生や保護者、企業、地域社会にも、本学教育の特色と成果を伝えていく。教育の成果が社会に理解され、評価されることによって、学生募集にもつなげていく。
したがって、「見える化」は単なる広報ではない。
教育を体系化する → 学生の成長を把握する → 教育を改善する → 成果を分かりやすく示す → 社会に伝える
という一連の取組なのである。
これらの強みを活かしながら、東洋学園大学らしい教育をさらに発展させていくことが、TOGAKU IMPACT 2030の出発点となっている。