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教育・研究
[現代経営研究会]第3回を開催。300余年の歴史を誇る京菓子の老舗・笹屋伊織の女将が登壇
2023.11.09
さまざまな業界・企業の経営者をお招きし、現代社会を読み解くヒントを学ぶ「現代経営研究会」。今期は「価値のデザイン」をテーマに開催しており、11/1(水)に第3回講演を実施しました。
今回の講師は、京菓匠 笹屋伊織 十代目女将の田丸みゆき氏。「京菓子を通して美しき日本の心を学ぶ」という演題でお話しいただきました。
田丸氏は冒頭、「京菓子」が和菓子のなかでも別格とされる4つの理由を解説。特に重要な要因として「京都には長期間にわたって都があった」ことを挙げ、皇室や公家に献上する雅なお菓子が発展したことから、他の地域の和菓子とは一線を画す位置づけになったというお話がありました。
京都に暖簾を掲げて300年以上の歴史を誇る笹屋伊織もまた、宮中御用達の菓子店のひとつです。
続いて、京菓子が「五感の芸術」と称されること、和菓子には家内安全や子孫繁栄といった「意味」が込められていることなどを解説。
若い世代にもわかりやすく和菓子の魅力をレクチャーいただきました。
キャプ)笹屋伊織の代表銘菓であるどら焼きについての解説も
京菓子業界で初めて「女将」を名乗ったり、歴史ある本店内にカフェをオープンさせるなど、常に新しいことにチャレンジし、経営をV字回復させてきた田丸氏。
しかし、ご本人は「どちらかというと、日本の伝統やいいところを残したいという思いが強い」とのお話も。
「お客様のご要望にお応えしたい」と真摯に取り組んだ結果、自然と新しいチャレンジにつながっていったそうです。
田丸氏は最後に、笹屋伊織が300年続いてきた理由について説明。
長年にわたり、売り上げ度外視で作り続ける「だるまさん最中」にまつわるエピソードを紹介しながら、「同じ場所で、同じものを作り続けてお客様をお迎えする。そんな毎日の積み重ねが300年続いてきた理由だと思います」と述べ、老舗の経営にとって重要なのは数字(売り上げ)だけではないと教えてくださいました。
講演後は多くの質問が寄せられ、活発な質疑応答が行われました。質問者の中には「だるまさん最中のエピソードに感動して泣いてしまった」と話す人もいました。
次回の現代経営研究会は11/15(水)に開催。株式会社ドムドムフードサービス代表取締役社長の藤﨑忍氏を迎え、「思いやり経営が企業のイノベーションをつくる」という演題で講演いただきます。
詳細・受講のお申込み(事前登録制)は以下リンク先にてご確認ください。
現代経営研究会