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教育・研究
積む、ルールを理解する、自分で作る…。子どもの発達特性に合わせたオリジナル玩具を企画。福田ゼミのPBL
2025.07.25
東洋学園大学では、都心の立地や大学の持つ様々なリソースを生かした「TOGAKU PBL」(PBL=課題解決型学習)を積極的に推進しています。
人間科学部の「発達心理学ゼミ」(福田佳織教授)では、子どもの発達特性に適したオリジナル玩具を作るという課題に取り組み、6/16(月)にプレゼンテーションを行いました。
今回の企画に先立ち、ゼミ生たちは「東京おもちゃ美術館」での学外研修を実施。
オリジナル玩具のアイデアを探して。福田ゼミが「東京おもちゃ美術館」で学外研修|東洋学園大学公式サイト
その後、美術館で集めた情報を参考にしながら、3グループがそれぞれ独自の玩具を企画、プロトタイプを作ってプレゼンテーションしました。
1チーム目の玩具は、さまざまな形のパーツを積み上げて遊ぶ「ぐるぐるハンドスピンタワー」。


「パーツを掴んで積む」「落ちる様子を観察する」(1歳児)、「自分で積むことに挑戦する」「パーツの動きを見て言葉にする」(2歳児)、「高さや色、順番を意識し、試行錯誤が始まる」(3歳児)と、1~3歳児の発達特性に合わせた遊び方を提案しました。
質疑応答では、「木の角を削る」「針金をやめてプラスチックにする」など、安全性への配慮についても説明がありました。
2チーム目はカードを使った「カラーキャッチ」という遊びを企画。

対象を4~6歳児と1グループ目よりも高めに設定し、「会話のキャッチボールができる」「協力する」、「ルールを守る」といった社会的なスキルの発達に合わせたゲームを提案しました。

既存の遊びにインスパイアを受けつつ、対象年齢を意識して難易度を下げるなどの工夫がなされていたものの、プレゼンを終えたゼミ生たちからは「思ったよりも複雑なルールになってしまった」との反省も。
福田教授からも「メインターゲットを文字が読める6歳児に絞っては」の指摘がありました。
3チーム目は、東京おもちゃ美術館で見つけた「弓ひ子人形」を、「指先の発達」「集中力の向上」といった発達特性を持つ7~9歳向けの“自分で作って遊べる”玩具としてリデザイン。

竹ひごを引くことで中央の軸につけられた絵がくるくる回る玩具で、手軽に作れるよう安くて手に入りやすい紙コップなどの材料にこだわりつつ、安定した動作ができるように工夫を重ねたそうです。

各チームとも、実際に玩具を企画し、プロトタイプとして作り上げるという実践の中で、子どもの発達や「遊び」に対する理解を深めるプロジェクトとなりました。
指導を担当する福田教授のコメント:
机上で年齢ごとの発達特性を学修しても、イメージが湧かなかったり、すぐに忘れてしまったりします。ゼミでは、図書館での調べ作業、おもちゃ美術館での見学や遊び体験、オリジナル玩具の企画・製作、PPTに要点をまとめてプレゼン・実演、質疑応答という一連の学修を通して、使える知識に変換することを目的に活動しています。今年は、はんだごてを使って製作するチームやホワイトボードにアイデアを書き出して検討するチームもあり、皆、熱心に取り組んでいたと思います。