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教育・研究
地域の方々との学習会も大成功。文京区・ゼンドラ(株)との産官学連携「こども服の譲渡会」
2025.10.10
東洋学園大学では、都心の立地や大学の持つ様々なリソースを生かした「TOGAKU PBL」(PBL=課題解決型学習)を積極的に推進しています。

9/4(木)、人間科学部の「人間社会演習」(種村文孝准教授)と、文京区とゼンドラ株式会社との産官学連携活動「こども服の譲渡会」を本学キャンパスにて開催。昨年に続いて、不用になったこども服や絵本を回収し、必要な人に譲渡するという「こども服の譲渡会」イベントを実施したほか、初の試みとして譲渡会前に地域の方々と学生との公開学習会を開催し、「子育て」について活発な意見が交わされました。
この取り組みは文京区とクリーニング業界の専門紙を編集発行しているゼンドラ株式会社との産官学連携活動、文京区の推進する2R(リデュース・リユース)や子育て支援の一環として実施しています。

初開催となった公開学習会には文京区にお住まいの方を中心に約40名の方が参加。
冒頭に種村准教授が、この譲渡会の意義や結婚や子育てに関する学生の意識調査や昨年度の譲渡会の成果などを発表。
その後、参加者と学生がグループに分かれ、子育ての喜びや悩み、学生に伝えたいこと、社会に対して思うことなどについて自由に話していただきました。


学習会に参加した方からは、子育て世帯同士の情報交換ができたことや、学生と話ができたことを喜ぶ声が聞かれ、もっと学生の意見を聞いてみたいと新たな交流を希望する方も。
学生からは、「子どもはいらないと思っていたけれど、お子さんがいるお母さんたちに会って話して、少し考え方が変わりました」(3年男子)、「お孫さんがいる世代の方など、色々な世代の方の声を聞けたのが、いつもの授業と違って面白かったです」(3年女子)といった感想に加えて、子育て支援を利用するためのハードルの高さや、困ったときの支援が足りていないなど、様々な課題についてリアルなお話を伺えたという声が。
「課題を知ったことで、社会福祉系などの進路に興味が出てきた」という感想も聞かれました。
その後、学習会の参加者は譲渡会会場に移動し、一般の来場者に先駆けて譲渡会に参加しました。

当日はあいにくの空模様でしたが、開始と同時に多くの来場者で会場は賑わいました。
会場は昨年同様に1号館1階のエントランスホール。
昨年よりも多い3,000着のこども服が用意されていましたが、広い空間を生かしベビーカーと一緒でもゆっくり服が選べるような工夫がされていました。

今回のプロジェクトに参加した学生は28人。
学生は洋服の整理と補充や、持ち込まれた服の回収などを行いながら、絵本の譲渡会のコーナーでの読み聞かせを行い、来場したお子さんを楽しませていました。


来場者と交流する学生たち
参加学生のコメント
「社会問題って、教科書を読んでもピンと来なかったり、身近にあるなんて考えてもみなかったりするけれど、このようなイベントを通じて『自分たちの周りにちゃんと問題があって、自分が目を向けているか目を向けていないかの違いだった』と気づき、現場で現状を知ることは大事だなと思いました 」(3年 大塚さん)
「学習会では、区によって子育て支援サービスの状況が違うことや、同じ文京区の方でも、専業主婦と働いている方で悩みや意見が違うことなど、色々な話を聞けました。また、譲渡会に日本語が全く話せない方がいらっしゃって、アンケートのお願いを伝えて答えていただくまでに様々な工夫をしたのですが、そういう方も私たちの身近に暮らしているのだ、と改めて気づきがありました」(3年 伊藤さん)
種村准教授のコメント
「こども服の譲渡会では子育て支援と環境問題をテーマに、地域課題・社会課題の解決を目指しています。学習会は今回初の取り組みでしたが、参加者同士の情報交換やつながり作りも見られて手ごたえを感じました。学生が子育てについて考えるきっかけにもなったと思います。学生には、自己責任だけではなく地域の人との協力や循環型社会のありがたさも感じてもらえたら嬉しいです。」

前日準備でこども服をきれいに陳列する学生たち