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教育・研究
[現代経営研究会]2025年度の現代経営研究会がスタート。第1回はANAの前代表取締役社長・平子氏が登壇
2025.10.23
さまざまな業界・企業の経営者をお招きし、現代社会を読み解くヒントを学ぶ「現代経営研究会」。
第18期となる今期は、「進化と深化」を年間テーマとし、全5回すべて対面・オンラインでの併催を予定しています。
第1回講演は10/15(水)に行われ、辻中豊学長の挨拶からスタート。辻中学長は「本学園は来年100周年を迎えますが、この研究会は学生の学びの場であり、また社会貢献の場として今後も一層充実させてまいりたい」と語りました。

第1回講演の様子。本学の在学生に加え、一般の方も多数来場
第1回講演の講師は、全日本空輸株式会社(ANA)の前代表取締役社長であり、現在はANAホールディングス株式会社の特別顧問を務める平子裕志氏。「日本の航空、コロナ禍の試練から未来へ」という演題でお話しいただきました。

全日本空輸株式会社 前代表取締役社長/ANAホールディングス株式会社 特別顧問の平子裕志氏
平子氏はまず、ANAグループの挑戦のあゆみについて解説。もともとはヘリコプターの会社として創業し、その後、特に国際線事業においては長きにわたって日本航空(JAL)の後塵を拝する状態だったというお話が。しかし、スターアライアンスに加盟したことが大きな転機となり、国際線の売上が増加。今後も国際線が事業の大きな柱になっていくだろう、と語りました。

歴史を解説するスライド。創業時はヘリコプターの会社だった
続いて話題は、コロナ禍における対応に。
2017年にANAの代表取締役社長に就任した平子氏は、「4年後の2020年に世界で一流の航空会社になる」とのコミットメントを発表し、順調に成長を続けていましたが、コロナ禍に遭遇。飛行機の利用客がほぼゼロに近い状態にまで陥りましたが、「雇用を死守し、もう一度航空サービスを復活させる」と決意してさまざまな自助を行い、共助・公助を求めたそうで、その内容について詳しく解説いただきました。

コロナ禍での取り組みを解説するスライド
その後、ANAグループの深化に関する話題では、「価値創造経営を実現するべく、価値創造サイクルを大切にしている」とのお話が。価値創造サイクルとは、サービスの起点である社員のエンゲージメントを高めることで、安全性の向上やお客様の喜びを創造し、それがANAグループの価値につながっていく、という循環の考え方。デジタルの力も使いながら、よりよい価値創造サイクルの推進に取り組んでいるそうです。

価値創造サイクルについて図を用いて説明
講演の終盤には、未来に向けた挑戦に関するお話も。大阪・関西万博で話題を呼んだ空飛ぶクルマAir Taxiや、ANAの社内事業から始まったアバター関連の新会社avatorinなど、さまざまな新規事業についてご紹介いただきました。

新規事業について解説するスライド
講演後は本学現代経営学部の学生をはじめ、対面・オンライン双方の受講者からたくさんの質問が寄せられ、活発な質疑応答が行われました。

対面参加者にはANAオリジナルグミ「青組」のお土産も!
次回の現代経営研究会は10/29(水)に開催。鈴茂器工株式会社 代表取締役社長の谷口徹氏を迎え、「食品機械メーカーが取り組む『食の「おいしい」や「温かい」を世界の人々へ』」という演題で講演いただきます。
詳細・受講のお申込み(事前登録制)は以下リンク先にてご確認ください。