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ロシアのウクライナ侵攻はなぜ実行に移されたのか。グロコミ学部「比較文化論」でゲスト講義

グロコミ

2023.12.21

12/13(水)、グローバル・コミュニケーション学部の「比較文化論」(佐藤泉特任教授)に、ジャーナリストで元NHKモスクワ支局長の石川一洋氏を招聘。
長くソビエト・ロシア情勢を追ってきた石川氏から、「なぜプーチン大統領は侵略戦争を決断したか」をテーマにお話しいただきました。

石川氏

講義では、ウクライナ侵攻を決断したプーチン大統領の思惑について、「安全保障上の懸念」「大ロシア主義に基づく執着」「プーチンの判断の裏の合理性」「ロシアの正義」といった観点から解説。
石川氏は、「ウクライナ侵攻による欧米との関係断絶は、“本来のロシアの姿に戻る”という意味で、ロシアの非常に硬い反欧米の保守強硬派にとっては合理的だったかもしれない」と述べました。

さらに、石川氏は「ロシアは20世紀に2度の国家崩壊を体験している」「ロシアは歴史的に平和になるチャンスを失い、再び孤立する状況になってしまった」と述べ、ソビエト連邦崩壊時のロシアについても言及。
石川氏がウクライナ・リビウでレーニン像の崩壊を取材したお話や、ソビエト連邦崩壊直前の国内情勢を現地からリポートする当時の映像も紹介いただきました。

最後に、昨年勃発したロシアのウクライナ侵攻について、「ウクライナ国民の民族意識はかえって確立された」と話した石川氏。
「ウクライナの国歌『ウクライナは滅びず』のタイトルのように、ウクライナ国民はあきらめないだろう」と述べて講義を終えました。

授業終了後には学生からの質疑応答にも丁寧に回答をいただき、メディアを通じて世界の紛争に触れる機会が多い中、対立する国々へのアプローチを考える有意義な機会となりました。