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教育・研究

人間科学

笑いの科学、推し活の心理、地域への愛着形成など、多彩なテーマが集う。人間科学部卒論発表会

人間科学

2025.03.25

東洋学園大学では、都心の立地や大学の持つ様々なリソースを生かした「TOGAKU PBL」(PBL=課題解決型学習)を積極的に推進しています。
その集大成のひとつが、学生一人ひとりが自らテーマを探して研究を進める卒業論文。
今回は、1/30(木)に開催された人間科学部の「卒業論文発表会」の様子をご紹介します。

卒業論文発表会には、心理・カウンセリングコース、スポーツ健康コース、人間社会コースから計14名の学生が登壇。
笑いの科学、お金と幸福の関係、推し活の心理、アイデンティティ形成の問題、メディアと犯罪の影響、地域に対する愛着形成など、人間科学部ならではの幅広いテーマが発表されました。

心理学系からは、様々なシーン、様々な状況下での心理やコミュニケーションに関する論文が続々発表。
特に反響を呼んだのは、「推し活」に伴う心理的影響を分析した発表でした。
推しからの認知を求めるあまり、過度な独占欲が現れるケースや、10代女性に顕著な美容整形願望など、美意識に関わる問題について考察がなされました。発表後の質疑応答も活発に行われ、聴衆の関心の高さが伺えました。

スポーツ系では、アスリートの身体やパフォーマンスと心理についての研究のほか、スポーツマーケティングについての研究発表も。
フィットネスクラブにおける若年層の高い退会率に着目し、利用者74名を対象にアンケート調査を実施した研究では、若年層が特に筋力アップを目的として利用していることが明らかになりました。その結果を踏まえ、目的に応じた設備の充実やパーソナルトレーニングの必要性、さらには継続利用しやすいクラブの形態について考察が行われました。

さらにバラエティに富んでいたのが、人間社会や文化に関する論文。
アリストテレスの幸福論と現代の幸福感の違いを探求した哲学系の論文や、東日本大震災の復興活動について岩手県大槌町でのフィールドワークをもとに、自分の地元である都内の下町と「愛着」形成について論じた発表、さらにはメディアの報道が犯罪に与える影響を考察した研究など、日常生活に密接にかかわる幅広いテーマの論文が発表されました。

発表した学生

<2024年度 人間科学部 卒業論文発表会 論題一覧>(発表順)
千葉萌佳  アミューズメント施設におけるストレスとリフレッシュの関係
二宮凛太郎 笑いがスポーツ場面において及ぼす影響
佐々木優太 フィットネスクラブの継続利用要因と顧客維持戦略
柄澤慶  アリストテレスの幸福論―徳の文化、及び近年のWell-beingとの相違点―
高橋征吾 大学生の着席行動における居心地と意欲の影響
中島菜月 推し活とその心理
小田紗江 児童期を海外で過ごした成人の文化的アイデンティティの自己認識
吉田大輝 巧緻性とプレッシャーの影響
秋元育  地域に対する愛着と地域振興の関係について
中原望  子どもの頃の空想と現在の性格の関連性について
小瀬村駿人 地域特性に着目した空き家対策―神奈川県三浦市と横須賀市を事例として―
末広怜  メディアと犯罪不安の影響
齋藤神威 余暇活動とコミュニケーション能力の関係
木村友香 大学生の食生活と性格の関連性について