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2021年、新しい学びの形
2021.06.11
新型コロナウイルス感染症の影響を受け、大きな変革期にある大学教育。本学では、今年度より「次世代教育推進室」を新設し、時代に即した教育のプラットフォームづくりを推進しています。改革にあたって何より大切にしているのは、学生の安全と学びやすさ。それを踏まえたうえで、対面授業・オンライン授業それぞれのメリットを活かした質の高い教育を目指しています。今回は、そんな本学の取り組みをご紹介します。
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全学全授業の60%を対面授業に
時代に即した質の高い教育を提供するため、今年度より新設した「次世代教育推進室」。その室長を務める泰松範行教授は、対面授業・オンライン授業の双方を重視しており、「それぞれにメリットがあり、科目の特性に合わせて使い分けることが、質の高い教育につながる」と話します。

「次世代教育推進室」の室長を務める泰松教授
対面授業における泰松教授の考えは、「『学校に来るからこそできる授業』を中心に行うべき」というもの。たとえば、グループワークを伴う授業もその一つ。オンラインより対面のほうが、学生同士のディスカッションが活発になる傾向もあり、学校に来て授業を行う意義があるといえます。
春学期からは、このような実践型の授業を中心に、全学全授業の60%※を対面授業としています。

ソーシャルディスタンスを確保して行われた人間科学部のグループワーク
なお、人間関係の構築が必要とされる1年生は、クラスメートや教員との「コミュニケーションの機会を増やす」ことを目的として、平均週4日登校に※。
「学校に来る回数」を増やすことで、孤立感や不安の解消を図っています。

「対面授業の一番の利点はコミュニケーションを深められること」と泰松教授
対面授業の実施にあたっては、学生たちの安心・安全を守るため、マスク着用やアルコール消毒、ソーシャルディスタンスの確保といった感染対策を徹底。さらに、ディスカッションやプレゼンテーションを行う際には、飛沫予防の仕切り板を設置したり、マイクに使い捨てカバーを装着するなどの対策も行っています。

発表者の前に仕切り板を設置して飛沫を予防
※6/1(火)時点では、緊急事態宣言の発令によりホームルームクラスを中心に一部授業のみ対面授業としております。
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オンライン授業をさらに進化
オンライン授業においては、「『オンラインのメリットを活かした授業』を行っていくべき」と話す泰松教授。オンラインのメリットの一つは、密を避け、個々に集中して学べること。つまり、大人数に向けた知識提供型の授業などがオンラインに適しているといえます。
また、録画配信=くり返し視聴ができるオンデマンド授業の導入により、反復学習や復習がしやすくなるというメリットもあります。

充実した機器を備えた「オンライン配信室」での収録の様子
本学では、このオンデマンド授業を強化するべく、学内に「オンライン配信室」を新設。複数のカメラやマイク、電子黒板などの本格機器を設置し、クオリティの高い収録を可能にしました。教員らも工夫を凝らし、動画1本の時間を短くしてチャプターに分けるなど、学生の学びやすさを第一に考えて収録しています。

木村教授による「管理会計」のオンデマンド授業
オンデマンド授業を実施した木村昭興准教授(現代経営学部)によると、学生たちの反応は良好の様子。
「動画1本あたりの時間を10分程度と短くしたところ、学生たちに好評でした。次の動画を見る前に一息ついてノートをまとめたり、理解を深めたいチャプターを何度も見返したり、テスト前に苦手な部分だけを復習したり、ということができているようです」と話していました。

「オンライン配信室」は、ライブ配信による同時双方向授業にも対応
「オンライン配信室」はライブ配信にも対応しており、この配信室から同時双方向授業を行うことも可能。教員は手元のスイッチ一つで画面の切り替えができ、たとえば、学生たちの顔を映しながらディスカッションを行ったあと、電子黒板を表示して解説する、といった流れもスムーズ。対面と遜色のない、臨場感あふれる授業が実現しています。

操作卓のスイッチ一つで瞬時に画面の切り替えが可能
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新しい学びに合わせた環境づくり
今春から本格始動した対面授業とオンライン授業の併用。これにより、「対面授業を受けたあと、そのまま学内でオンライン授業を受ける」といったケースも増えることに。そこで、PC環境の整備や居場所づくりを行い、学内でもオンライン授業を受けやすくしました。

最新PCが並ぶ「メディアセンター自習室」。※現在は感染予防の観点から座席ごとに仕切りを設置
たとえば、「メディアセンター自習室」には、Windows10搭載の最新デスクトップPCとヘッドフォンを完備し、さらに学内で使えるノートPCの貸し出しも実施。自宅からノートPCを持って来なくても、キャンパス内でオンライン授業を受けられるようになっています。

4・5号館エントランスの自習スペース。各席に充電用の電源も確保
また、オンライン授業用の受講室として教室を開放したり、リニューアルした4・5号館エントランスには自習スペースを確保。学内全体のWi-Fi環境も整っており、屋上を含むさまざまな場所で快適にオンライン学習を行うことができます。
本学は今後も、学生が能動的に学べる授業形態や学内環境を模索し、革新を続けていきます。