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どうすれば面白いアイデアが浮かぶのか?-本庄ゼミが高砂鐵工(株)にステンレスの新用途を提案!

産官学連携,現代経営

2023.01.30

1/16(月)、現代経営学部「マーケティング戦略・プロジェクトマネジメントゼミ」(本庄加代子准教授)に、高砂鐵工株式会社総務部長 大熊健之氏と酒田友梨氏がゲストとして参加。

3年生のゼミ生と2年生が、馴染みのないステンレスという素材をどう市場に売り出していくのか…という難しい課題に挑戦し、短時間で多くのアイデアを出す方法をワークショップ形式で学びました。
学生たちは、強制連想法や締め切り効果といった手法を使うことで、短時間で発想を広げながら戦略骨子まで落とし込むプロセスを体感しました。

高砂鐵工(株)は、普通鋼、特殊鋼についての各種冷延鋼板、鋼帯の他、ステンレス素材から開発した加工製品を製造販売する鉄鋼素材メーカーで、今年で創立100周年を迎えます。
今回のコラボレーションは、同社から本庄ゼミへのオファーで実現。
大熊氏が大学と企業の連携について情報収集していたところ、本庄ゼミによる産学連携プロジェクトに関する記事に目が留まり、同社と本庄ゼミ生とのワークショップにつながりました。

ワークショップではまず、酒田氏が高砂鐵工(株)のステンレス製品について紹介。
「指紋や傷が目立たない」「高いデザイン性がある」「丈夫で錆びない」といった特長をお話しいただき、学生たちは実際に製品のサンプルを手に取って強度や質感を確かめました。

様々な製品のサンプルを実際に手に取って確認

その後、各グループに分かれてエンボスステンレスの新しい用途についてアイデア出しを実施。
限られた時間でより多くのアイデアを出す“強制連想法”を使った結果、77個ものアイデアを出すグループも。
大熊氏は、「社内では100人以上の従業員から40個ほどのアイデアしか出てこなかった。すごいですね。」とコメントしました。

酒田氏からは、街のあちこちで活躍する同社のステンレス製品についての話も。
自動車や産業機械のほか、自販機のシューターなど、ステンレスの特長を生かして活用されている事例をご紹介いただきました。

そのような既存製品の使途を踏まえ、学生たちは「誰に、何を、どのように売るか」を念頭におき、改めてエンボスステンレスの新しい用途をグループで検討。
マーケティングミックスの切り口からアイデアをより具体化させた学生たちは、「ご当地ゴミ箱」や「オーダーメイドのペットの餌入れ」など斬新なアイデアに加え、ターゲット、流通方法、販促活動のプランまで考慮した提案を行いました。

ポジショニングマップを使い、わかりやすくアイデアを解説するゼミ生

本庄ゼミをインターネット上で知り、協力依頼をしたという高砂鐵工㈱の大熊氏

中でも大熊氏から「驚いた!」と絶賛いただいたのが、ゴミ箱を“ご当地化”するアイデア。
その他のアイデアも、「目の付け所を参考にしたい」(大熊氏)、「量産するだけでなく、ステンレスの高級感や特別感を推す考えをもらった」(酒田氏)と、高い評価を頂きました。

ワークショップ後、学生から「適当に発想するのではなく、発想にも効率的な方法やプロセスがあることがわかった」「“強制連想法”でアイデアをひろげ、“STP4P”といった理論でまとめあげるプロセスを実際に経験でき、面白かった」との声が聞かれ、これまでの学びを生かす手ごたえを感じた様子。
既存商品にとらわれない自由な発想で可能性を広げ、アイデアを昇華させる実践的な機会となりました。

酒田氏(写真2列目左)、大熊氏、ご当地ゴミ箱”アイデアを出した3年生グループ、本庄准教授(2列目右)

高砂鐵工株式会社
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