Academic Life & Research
教育・研究
「鑑真」から、今学べることとは。グロコミ学科で日中交流を考えるゲスト講義を実施
2023.07.05
6/26(月)、グローバル・コミュニケーション学科「専門基礎演習A」(成寅准教授)で、映像作家・フリーランステレビカメラマンの保山耕一氏を迎えたゲスト講義を実施。
奈良県在住でNHKの「やまとの季節 二十四節気」などを手掛ける保山氏に、奈良における日中交流の歴史観などについてお話しいただきました。


第一線の映像作家として35年以上のキャリアを持つ保山氏
講義では、奈良時代に中国から伝わってきた数々の文化や価値観が、当時の日本社会に安定をもたらした歴史について解説。
特に、その中心を担った唐出身の僧・鑑真に着目し、彼が日本にもたらした「五戒」といった仏教思想や、建築技術について紹介いただきました。
また、鑑真と奈良県にまつわるエピソードをお話しいただきつつ、これからの社会において重要な物事の考え方についてのお話も。
「奈良県には、口伝で残る鑑真の逸話が多くあるけれど、それらはインターネットで検索しても出てこない。情報化社会といわれる現代においても、自ら情報を獲得して、感性を働かせながら、本質とは何かを考えることが重要である」という保山氏の言葉に、学生たちも真剣な表情で耳を傾けていました。

その後、保山氏の映像作品を上映。
唐招提寺のハスの花や、朝日に映える雲海など、奈良の自然風景をとらえた美しい映像を楽しみつつ、1000年を超える日中交流の歴史に思いを馳せるひと時となりました。
講義後の質問タイムでは、「撮影にはどんな機材を用いているのか」「これまで行った場所で一番感動したのはどこか」といった作品制作に関する質問から、「なぜ映像作家を目指そうと思ったのか」「仕事で大変だと感じるのはどんなことか」といったキャリアに関する話題も。
保山氏は「人に求められる人間になれるよう、考え、行動し続けること。小さくとも、今の自分にできることをコツコツ毎日続けることが重要」と学生たちにアドバイスを送りました。

奈良と中国の関係や、現代日本へとつながる鑑真の貢献を学ぶとともに、キャリアや人生観についても大きなヒントが得られる機会となりました。