Academic Life & Research
教育・研究
韓国映画に表れる南北融和への市民精神を探る。特別講座「未来は共に創る」第6回
2023.11.01
本学では、一般社団法人ユーラシア財団from Asia助成による特別講座を開講しています。
今年は一般聴講者を含む対面での講義が復活し、「未来は共に創る――アジア共同体の新しい地平線」という全体テーマのもと、アジアの諸問題に関する専門家や有識者を講師として招へい。
10/26(木)に開催された第6回は、講師として立教大学兼任講師の石坂浩一氏にご登壇いただきました。

今回の講義テーマは「韓国の映画に見る南北分断」。
長年朝鮮半島の歴史を研究し、韓国と北朝鮮の両国に深い知見を持つ石坂氏から、10本以上の韓国映画を題材に、朝鮮半島の歴史や南北融和に対する人々の思いについてお話いただきました。

石坂氏
石坂氏は冒頭、朝鮮半島の南北関係を扱った様々な韓国映画を紹介。
「近年では、南と北が分かり合えない部分を持ちながらも最終的には協力して困難を乗り越える、というテーマが描かれており、韓国映画の中で北朝鮮の人々を敵として描く発想をとっていない」と述べ、対立を続けるのではなく共存しようとする合理的思考が描かれていることに注目しました。
その後、韓国における映画表現の制約、大統領の入れ替えを機とした映画作品に描かれる南北関係の変化などに焦点を当てた石坂氏。
様々な映画で描かれる韓国と北朝鮮の関係を紹介し、「南北関係を扱った作品の多くでは、“付き合っていけばおのずと友情が生まれ、次の次元に進める”という市民精神がうかがえる」とまとめ、講義を終えました。
質疑応答では、「北朝鮮で関心を持たれた韓国映画はあるのか?」「南北関係の緊張を踏まえ、現在の各国の争いへの石坂氏自身の考えは?」などの質問が。
石坂氏の長年の研究に基づいた、丁寧な回答をいただきました。
同講座は本学学生が履修するほか、一般の方も受講可能な公開講座として開講されています。
各回の講師・テーマ、聴講のお申し込み方法は以下ページよりご確認いただけます。
一般財団法人ユーラシア財団 from Asia 助成 特別講座
https://www.tyg.jp/koukaikouza/oneasia/index.html