Academic Life & Research
教育・研究
社会的養護における支援の現状について学ぶ「福祉心理学」ゲスト講義
2024.07.26
7/11(木)、人間科学部の「福祉心理学」(塩谷隼平教授)にて、「児童福祉」領域についての現状を知り、児童養護施設 での心理職・福祉職の役割について学ぶ特別授業を実施。
NPO法人チャイボラ代表理事の大山遥氏と、本学の卒業生で児童養護施設「こどものうち八栄寮」職員の武田孝一郎氏を招き、社会的養護 に関する最新の動向と、児童福祉施設での実際の仕事について、お話をいただきました。
児童養護施設は、保護者と離れて暮らす子どもを養育する施設。
そこで働く職員の存在は、子どもたちの心の安定に大きな影響を与えます。
そのため、職員として同じ人に長く働いてもらうことが望ましいのですが、職員の十分な確保と定着が大きな課題。
NPO法人チャイボラは、この課題に向き合い、様々な取り組みを精力的に行っている団体です。
授業は、大山氏による児童福祉の基本情報と最新データの紹介からスタート。
社会的養護とは何か、必要としている子どもの数、社会的養護に関わる施設の種類など、基本的な事項をクイズ形式にて確認しました。
次に、様々な施設でのインタビュー映像で、児童福祉施設の現状 について理解を深めました。
次に登壇したのは、本学を2024年3月に卒業し、児童養護施設「こどものうち八栄寮」で児童指導員として活躍している武田氏。
実際に児童養護施設 で子どもたちがどのように過ごし、職員がどのような支援を行っているかという施設内での生活についてのお話から、職員として働いている際に感じるやりがいや、大変なことなどについて、体験談を交えてわかりやすくお話ししていただきました。
授業の締めくくりは、学生からリアルタイムで寄せられた質問に回答する質疑応答コーナー。
社会的養護施設 は、子どもたちの安全・安心な生活を守るために、24時間365日休むことなく運営されています。
これを実現するための宿直のシステムや、職員の時間の使い方についても質問が上がりました。
また、これから働く学生の立場として、気になる初任給についての質問も。
具体的な金額 は伏せられましたが、「世間の想像を上回る金額をいただけた」(武田さん)とのことで、この答えには学生たちも驚いた様子でした。
さらに、施設で暮らす子どもたちの生活については、スマホも持てるし、塾にも行けるなど、一般家庭と遜色ない生活が送れるよう、サポートされているとのことでした。
ほかにも、「虐待の影響で入所当時は心をひらいてくれず、暴言が酷かった子どもと、成長するにつれて絆が深まった」という実体験に基づくお話も。
普段は聞けないような児童福祉 の現場の声にふれ、受講した学生からは、進路として福祉領域での専門職 や子どもの支援に興味を持ったという感想も多数寄せられました。