Academic Life & Research
教育・研究
米中対立と世界秩序の行方を考える。特別講座「未曽有の大変局のなかでアジア共同体の未来を語る」第4回
2024.11.02
本学では、一般財団法人ユーラシア財団from Asia助成による特別講座を開講しています。
今年は「未曽有の大変局のなかでアジア共同体の未来を語る」という全体テーマのもと、アジアの諸問題に関する専門家や有識者を講師として招へい。
全15回を予定しています。
10/10(木)に開催された第4回は、講師として東京大学東洋文化研究所准教授 佐橋亮氏にご登壇いただきました。
今回の講義テーマは「米中関係と国際秩序の今後を占う」。
国際政治学者として米中関係の歴史と現在における戦略的対立について研究する佐橋氏に、アメリカと中国、2つの大国の関係を紐解きながら、「これからの世界はどうなっていくか」について、来月行われるアメリカ大統領選挙の展望と合わせてお話しいただきました。
講義前半、佐橋氏は「冷戦終結後グローバル化が進むはずだった世界が、大国間の相互不信により変化した」ことに言及。
ロシアやヨーロッパなど、各国がお互いに抱く「不信」とともに、最も重要であるアメリカと中国の「不信」について、二国間の歴史に沿って説明しました。
アメリカの対中政策の変化の背景には、「支援を続けてきた中国の技術力が、単なる技術力の台頭だけでなく、軍事力にも影響しかねない懸念がある」と考察。
「中国がアメリカの脅威になったことで、経済規制が強化され、グローバル化に変化をもたらした」と、世界の現状について分析しました。
講義後半は、来月に控えるアメリカ大統領選挙について、アメリカ政治が迎える大きな局面と日本をはじめとする各国への影響について語った佐橋氏。
最後に、「これまで安定していた国際秩序が壊れてきているこの数年は、ここ数十年の中でも大きな転換点になることを踏まえ、報道を見て考えてほしい」として、講義を終えました。
講義終了後には質疑応答の時間が設けられ、「中国がドローン技術のほかに世界No.1であるものは何か」「来月のアメリカ大統領選挙ではどちらが当選した方が日本にメリットが大きいか」といった質問があがり、ひとつずつ丁寧な回答をいただきました。
同講座は本学学生が履修するほか、一般の方も受講可能な公開講座として開講されています。
各回の講師・テーマ、聴講のお申し込み方法は以下ページよりご確認いただけます。