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北朝鮮が韓国との距離を取る政策に変換した背景を探る。特別講座「未曽有の大変局のなかでアジア共同体の未来を語る」第6回

地域間連携

2024.11.11

本学では、一般財団法人ユーラシア財団from Asia助成による特別講座を開講しています。
今年は「未曽有の大変局のなかでアジア共同体の未来を語る」という全体テーマのもと、アジアの諸問題に関する専門家や有識者を講師として招へい。
全15回のオムニバス形式で講義を行います。

10/24(木)に開催された第6回は、講師として新潟県立大学北東アジア研究所教授の三村光弘氏にご登壇いただきました。

今回の講義テーマは「世界の多極化と半島情勢の変化――なぜ朝鮮は韓国を遠ざけるのか」。
200回以上の渡韓経験を持ち、さらに北朝鮮、ロシア、中国を数多く訪問、ユーラシアと朝鮮半島を含めた北東アジアについて研究している三村氏に、世界秩序の多極化と朝鮮半島における南北関係の歴史から現状までについてお話しいただきました。

講義前半、三村氏は「米ソ冷戦時代からアメリカの一極覇権時代を経て、世界情勢が新たな枠組みで多極化している」と現状を解説。
特に、中国の高度経済成長によるBRICS(ブラジル・ロシア・インド・中国・南アフリカ)の台頭が、アメリカやNATOを凌ぐ経済力をもたらした結果、さらなる経済連携を促進したという背景について説明しました。

三村氏

講義後半、現在の朝鮮半島における緊張状態と、北朝鮮が韓国と距離を取る政策に転換した背景と狙いについて語った三村氏。
さらに、ロシア、中国との関係性についても解説し、北朝鮮の動向として、ロシア、中国、日本、韓国への対応の違いについて言及しました。
その中でも、今後は中朝経済関係が対外経済の中心となると展望し、講義を終えました。

講義終了後には質疑応答が行われ、「朝鮮半島で南北の衝突は起きるか」「ロシアに北朝鮮兵が派兵されているが、西側に拡大する可能性はあるのか」などの質問が。
さらに北朝鮮と韓国を繋ぐ道路が爆破された件についてなど具体的な質問も上がり、それぞれ丁寧な回答をいただきました。

同講座は本学学生が履修するほか、一般の方も受講可能な公開講座として開講されています。
各回の講師・テーマ、聴講のお申し込み方法は以下ページよりご確認いただけます。

一般財団法人ユーラシア財団 from Asia 助成 特別講座