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児童福祉施設で働く卒業生も参加!子どもの成長を見守る社会的養護施設、現場の声を聞く「福祉心理学」特別講義

産官学連携,人間科学

2025.09.18

東洋学園大学では、都心の立地や大学の持つ様々なリソースを生かした「TOGAKU PBL」(PBL=課題解決型学習)を積極的に推進しています。

7/10(木)、人間科学部「福祉心理学」(塩谷隼平教授)で、NPO法人チャイボラの大山遥代表、小林努氏と、児童養護施設こどものうち八栄寮でケアワーカーを務める本学卒業生の花岡壮太氏を招き、社会的養護施設についてリアルなお話を伺う特別講義を実施しました。

講義では、まず、社会的養護施設の人材支援に取り組むNPO法人チャイボラの代表・大山氏から、社会的養護施設についてクイズ形式での解説が。

現在、日本で社会的養護されている子どもたちは約4万2000人。
児童養護施設のほか、母子生活支援施設、児童心理治療施設や自立援助ホームなど、様々な理由で親と暮らせない子どもたちや、子どもの養育に困難を抱える家庭を支える施設の種類と役割について学びました。

チャイボラ代表の大山氏

その後、社会的養護の現場で働く人々の声を動画で紹介。
さらに、大山氏、そして、児童養護施設で児童指導員(※)として働いている卒業生の花岡氏が実際に経験した仕事内容、子どもたちの様子、職員と子どもたちとの関係性をどのように構築するかといった体験談を説明しました。
※人間科学部では、児童指導員の任用資格が取得できます

「こどものうち八栄寮」で児童指導員として働く卒業生の花岡氏

花岡氏からは、児童養護施設での1日の生活と、「子どもたちの生活の場で働く」児童指導員という仕事の内容について具体的にお話しいただいたほか、イベントや行事の狙い、子どもたちの変化など、具体的なお話が。
「困り感をうまく口に出せず暴れてしまう」子どもが、養育によって暴れる時間が短くなったり理由を口頭で説明できるようになったり…といった成長を見せてくれた嬉しさなど、現場でのやりがいについてもお話しいただきました。

また、主に児童養護施設を卒業した18~19歳が生活する「自立援助ホーム」というタイプの施設に長く勤務する小林氏からは、児童養護施設との違いや、「様々な失敗を体験してもらえる」(それによって自立に向けた成長の機会ができる)自立支援ならではの特徴や、やりがいについてのお話が。

児童養護施設や自立援助ホームでの経験豊富な小林氏

質疑応答では、これまで出会った子どもたちのエピソードも交えつつ、社会的養護の子どもたちの置かれた状況や、養育に携わる職員として大切にしていること、やりがいや楽しさ、自分自身の成長についてなど、現場経験豊富な方々ならではの声をたくさん伺うことができました。

授業の最後には、大山氏から現場の様子を知るチャンスとして「ぜひ在学中からボランティアや職場見学に気軽に参加を」とのメッセージが。
受講者のほとんどが3年生で進路を考えるタイミングということもあり、その場でチャイボラのサイトを調べたり、「こどものうち八栄寮」の就職説明会についての資料を見たりと、今後の進路や大学での学びに生かそうと情報を集める様子も見られました。

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