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グロコミ

「日本の隠れた観光資源」をテーマに国内&韓国でフィールドスタディ&現地学生と交流

グロコミ

2025.12.03

東洋学園大学では、都心の立地や大学の持つ様々なリソースを生かした「TOGAKU PBL」(PBL=課題解決型学習)を積極的に推進しています。

グローバル・コミュニケーション学部の秋学期集中科目「社会調査・フィールドスタディ演習」(井上実佳教授・李孝連准教授)では、「日本の隠れた観光資源」を全体テーマにPBLを実施。
日本と韓国でのフィールドスタディで得た情報を分析し、10/23(木)に最終プレゼンテーションを行いました。

今回のPBLは、学生たちが3チームに分かれて各自のテーマを設定。
それぞれ「谷根千」「プリン」「後楽園・水道橋駅周辺」に着目し、研究を進めてきました。

各チームは日本でのフィールドスタディに加え、9月には韓国での実地調査を行い、DMZや明洞、光化門広場、景福宮、淸溪川、北村といった韓国の多様な観光資源の現場を見学。

駅やコンビニでも、各自のテーマに合わせて調査を行いました。

さらに、ソウルの日本政府観光局(JNTO、独立行政法人国際観光振興機構)では、清水局長より韓国での日本文化や観光資源の紹介活動などに関する動向についてヒアリング。

漢陽女子大学の学生とも交流し、韓国語を交えてのプレゼンテーションやインタビュー調査にも挑戦しました。

実地調査を終えた学生たちは現地での経験を踏まえて研究を進め、10/23(木)に最終報告を行いました。

「谷根千(谷中、根津、千駄木)」エリアをテーマに選んだチームは、韓国をはじめとする訪日外国人観光客に対して「下町とレトロを巡るローカルな旅」を提案。
比較対象として韓国の観光地「北村」に着目し、韓国フィールドスタディでは実際に現地を訪れて比較を行ったほか、漢陽女子大学の学生に対して谷根千の認知度、訪問経験、どのような点に魅力を感じるかなどのインタビューを行いました。

最終発表では、韓国での「地方の落ち着いた観光地」への関心の高まりに触れつつ、幅広い年代の韓国人観光客の人気を集めそうな観光資源として「伝統・カフェ・フォトスポット」の3点に注目。
今後の課題として、谷根千エリアのインバウンド対応の進み具合やキャッシュレス設備をはじめとした改善点を指摘したほか、韓国の「北村」とも共通する課題として「地域住民の生活と観光の両立」、オーバーツーリズム防止の検討が必要であることを挙げました。

次のチームは、韓国での「日本のプリン」人気に着目し、新たな観光資源化を検討。
日本と韓国でのリサーチを通じて、日本におけるプリン関連商品の幅広さに比べ、韓国ではプリンの品数が少ない一方で、ヨーグルトが店頭に多く並んでいることを発見し、その理由について考察しました。

最終プレゼンテーションでは、海外向け商品展開やプロモーションの提案に加えて、食文化が国際交流のきっかけになることや、日韓で好まれる商品の違いが、食文化や健康観、美意識の違いに関する研究へ発展させられる可能性を示唆しました。

最後のグループは、大学周辺の水道橋・後楽園エリアをテーマに研究。

特に、案内看板の言語や電車の車内広告、横断歩道の仕組みや駅の設備などの公共サービス、スーパーなどの生活密着型のサービスに着目してフィールドスタディを行い、日韓の違いや新たな発見を報告しました。

最終報告には、ゲストとして海外の旅行会社でプランニングを手掛けていた職員が出席。
学生たちの発表に対し、ビジネス視点でのアドバイスが贈られました。

PBLを通じて、学生たちからは「観光地の魅力は情報発信力と体験価値にある」「地域の人の温かさや雰囲気も観光資源になることがわかった」といった感想が。
異文化や観光、国際交流に関わる新たな課題や次の研究につながるきっかけをたくさん発見でき、実りの多い活動となったようです。