Academic Life & Research
教育・研究
文京アカデミア大学プロデュース特別公開講座 辻中学長特別講演「日本政治を『見える化』する」
2025.12.23
11/8(土)、フェニックスホールにて、文京アカデミア大学プロデュース特別公開講座(主催:公益財団法人文京アカデミー)を開催。
本学の辻中豊学長が登壇し、文京区民ら147名が参加しました。

辻中学長
辻中学長は、大阪大学大学院法学研究科公法学専攻(修士)、博士(法学)京都大学を経て、コーネル大学客員研究員を務め、筑波大学、東海大学の副学長を歴任。
40年以上にわたり、市民社会を世界比較の視点から研究してきました。
今回の特別講演会ではその知見を活かし、アメリカ・韓国・中国など15か国の市民社会の特徴を紹介、国ごとの政治の違いをわかりやすく解説しました。
辻中学長は冒頭、「日本の政治は複雑でわかりにくい」と指摘。
その理由の一つが、政治家や政党の動きだけに注目し、背景にある社会の力を見落としやすい点を挙げました。
政治家の背後には多くの団体や組織(市民社会)があり、それらが政治に強い影響を与えていると説明します。
市民社会とは、政府でも企業でも家族でもない、NPOやボランティア団体、地域住民組織、経済団体、労働団体などの社会の中間にある多様な集団のこと。
普段は意識しにくい存在ですが、実は社会を支える見えない力であり、国際的には政治の在り方に強い影響力を持つ存在です。

また講演では、最近の日本政治の動き(新政権発足、連立の組み替えなど)にも言及。
多くの評論家が予測を外した背景には、「政治の表面だけを見て、背後にある市民社会の力を読み誤ったことがある」と述べました。
最後に学長は、1995年以降、日本の市民社会が大きな変化の中にあることを指摘し、これからの市民が、政治を他人事ではなく、自分の生活と結びつけて考えることの重要性を強調しました。
講演後には質疑応答も行われ、多くの参加者が政治を自分ごととして考える機会となりました。
東洋学園大学は今後も、無料の講演会など、多くの学びの場を広く社会に開いていきます。