Academic Life & Research
教育・研究
災害発生時のテレビ報道、その舞台裏とは。「メディア・コミュニケーション」ゲスト講義
2026.01.13
東洋学園大学では、様々な科目でゲスト講師から最新の社会動向や「現場」ならではの知識を学ぶ特別講義を実施しています。
12/8(月)は、グローバル・コミュニケーション学部「メディア・コミュニケーション」(松井英光教授)にて、テレビ朝日報道局元災害報道担当部長 久慈省平氏をゲスト講師として招聘。
テレビ局の「災害報道」について、災害発生時のリアルな現場の様子や過去の事例を踏まえて必要な情報を視聴者によりわかりやすく伝える数々の工夫についてお話しいただきました。


講義は「『災害報道』は放送法に定められたテレビ局の義務である」という話からスタート。
同じメディアでも、事後の事実検証や歴史的資料の意味合いが強い「新聞」とは違い、リアルタイムで情報を発信するテレビの災害報道は「命を救い被害を減らす」ことが一番の目的とされているそう。
今回の講義では、2024年1月の「能登半島地震」発生時の報道映像と、2011年1月の「東日本大震災」発生時の報道映像とを見比べながら、テレビ局が過去の教訓をどのように生かし、どのような情報を視聴者に伝えようとしているかをお話しいただきました。

久慈氏は映像を流しながら、画面内のテロップやアナウンサーのことば、表示される映像の目的や撮影方法など、災害報道ならではの工夫や放送の舞台裏、過去事例からの改善点を丁寧に解説。
東日本大震災発生直後に津波の報道が少なく、大きな被害が出たことを教訓として、現在の災害報道では地震など「過去に起こった情報」の報道よりも、津波の注意報・警報など「未来の情報」を迅速かつ分かりやすく放送することに注力し、必要な人に情報が行き届くようNHK・民放各社が共同で様々な対策を行っているそうです。

また、「毎日深夜に緊急放送のシミュレーションが行われている」「アナウンサーのテンションやコメントは事前に決められたルール(注意報・警報の種類による)に基づいており、全ジャンルのアナウンサーがいつでも対応できるよう訓練されている」といった現場の工夫や日々の訓練、撮影機材やシステムの進化、報道スタッフ側の安全確保の重要性についても言及しました。

この講義があった当日夜に青森県東方沖で地震が発生。
東京のキー局でも、深夜にもかかわらず迅速な災害報道が行われました。
講義中、真剣な眼差しで学んでいた学生たちが、災害報道画面の中に込められた膨大な情報の見方と情報判断のコツ、テロップやコメント、映像一つひとつに込められた安全への強い願いをしっかり受け継いでいくことを願います。