Academic Life & Research
教育・研究
(社福)佑啓会の堀金氏に聞く、社会福祉の課題と役割。「地域ではたらく」ゲスト講義
2026.01.29
人間科学部の「地域ではたらく」(宮園久栄特任教授)では、公務員やNPO、福祉や司法など様々な領域で活躍する人々をゲスト講師に迎え、地域を支える仕事について学びます。
12/15(月)には、千葉県と東京都を中心に児童、障がい者支援を行う社会福祉法人佑啓会で、長年福祉の現場に携わってきた堀金兼太郎氏をゲスト講師として招聘。
「障がい福祉で働く」をテーマに、障がい者福祉が抱える労働力の確保問題や地域との関わり、佑啓会の取り組みについてお話を伺いました。

冒頭では、堀金氏が福祉の道に進んだ経緯を紹介し、学生たちに向けて「知的障がい」に対するイメージについて、リアルな声を尋ねました。
また、福祉の仕事が若者の職業選択肢に入りにくい現状や、「必要なのに不人気」という矛盾に触れ、「知られていないことがスタートラインに立てない要因である」と語りました。

次に、社会の高齢化や医療技術の進歩により障がい者支援のニーズが増え続けている現状を説明。
学生の声も踏まえ、強度行動障がいや精神障がいに対して理解が得られないこと、生活支援の複雑化など、福祉分野が抱える課題について具体的な事例を交えながら解説しました。
「福祉は社会を支える生活インフラであり、なくてはならない仕事」であるとし、近年一般企業の参入が増えるなかで、社会福祉法人だからこそ発揮できる専門性と使命についても言及しました。

さらに、福祉の仕事が「きつい・収入が低い・こわい」といった先入観により敬遠されがちな一方で、「感謝される」「専門性を活かせる」といった肯定的な側面も紹介。
価値に対する評価が追いついていない現状に対し、「専門性」「多様なキャリア」「社会的意義」を示し、若い世代が加わることで業界は変わると語りました。
また、佑啓会の取り組みとして、利用者によるパン販売「ふる里商店」、地域に根ざした活動、安定した給与水準、手厚い研修制度など、人材育成と質の向上に向けた取り組みを紹介した堀金氏。
「障がい者を特別視せず、社会の一員として支えることが大切」という考えのもと、職員が楽しんで働ける環境づくりを重視していることも語りました。

最後に「福祉の仕事は知られていないだけで価値が低いわけではない。多様な人々がそれぞれの役割で支える仕事だ」と学生にメッセージを送り、ゲスト講義は福祉の専門性と現場のリアルを学ぶ貴重な機会となりました。
講義後には、「今日の講義を聞いて、佑啓会のような取り組みを行っていれば、もっと福祉の仕事を目指す人材が増えると思うが、(このような取り組みは)業界的に珍しいのではないか」という質問が上がり、学生たちが福祉の仕事に対するイメージを新たにした様子が伺えました。