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中高生の居場所づくりを通じて考える地域支援のかたち。「地域ではたらく」ゲスト講義

産官学連携,人間科学

2026.04.03

人間科学部の「地域ではたらく」(宮園久栄特任教授)では、公務員やNPO、福祉や司法など様々な領域で活躍する人々をゲスト講師に迎え、地域を支える仕事について学びます。

1/19(月)には、NPO法人ピアサポートネットしぶやで統括リーダーとして活動する石川隆博氏を招聘。
渋谷区内での中高生の居場所づくりを軸に、生きづらさを抱える子ども・若者とその家族を支援する取り組みについてお話を伺いました。

講義は、「NPO法人とは何か」という基本的な解説からスタート。
ピアサポートネットしぶやは渋谷区を拠点に、教育分野を中心とした支援の輪を広げる活動を行なっているNPO法人であることが紹介されました。

次に、活動の拠点である「渋谷区」という地域の特性について解説。
渋谷区には「外からみた渋谷」と「住民が抱える現実」にギャップがあるとし、区のスローガンである「ちがいをちからに変える街。渋谷区」について説明しました。
さらに、渋谷区の基礎情報や住民に関するデータを提示し、学生たちの気づきを聞きつつ、区の政策からもその特性を紐解いていきました。

後半では、こうした地域理解を踏まえ、ピアサポートネットしぶやがNPO法人として地域の課題をどのように事業として展開しているかについて説明。
行政が主にハード面に重きを置く一方で、同法人は中高生の居場所作りや学習支援、自立支援といったソフト面の支援をしてきたと紹介されました。

また、地域の声を活動や新たな事業に活かしている実践例として、「みんなのサポらぶ」について言及。
2020年に創設された「重層的支援体制支援整備事業」の一環で「こどもに寄り添い親を支える 誰一人として取りこぼしのない地域に」をミッションに立ち上がったこの取り組みに、ピアサポートネットも4つの構成支援団体の1つとして参加しているとのことです。

支援の谷間になりやすい10代への支援として、アパレルブランド「GU」との連携イベントなども試行。

「中高生のよりみちスペース」や「放課後の居場所づくり」など、生きづらさや孤独、不安を感じている子どもたちに、自由に過ごせる環境を用意する活動について解説しました。

「地域の声を事業化するのは、難しさが伴う一方で、それがNPOの醍醐味であり、絶えず活動をアップデートしていくことが必要」と強調した石川氏。
最後はNPO法人で働くということについて説明し、学生たちへ活動へのボランティア参加を呼びかけて、講義を締めくくりました。

講義後の質疑応答では、「引きこもっている子どもたちに活動を周知するための工夫は?」「どこからが虐待か?ヤングケアラーは虐待か?」といった社会問題について質問が相次ぎ、自身の経験を交えた提案もあがるなど、学生たちが社会課題を自分事として捉える貴重な機会となりました。