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特別講座「ポストコロナの世界とアジア」第13回報告:美しい「墨絵」の歴史と鑑賞法、文化交流を学ぶ

グロコミ

2020.12.24

一般財団法人ユーラシア財団 from Asiaの助成による特別講座「ポストコロナの世界とアジア―アジア共同体への新しい可能性」第13回講座を12/18(金)に開催。
「墨絵の世界」というテーマで、画家の馬艶氏にご講演いただきました。

日中友好の思いを込めて描かれたという馬艶氏の代表作「天地人」

馬艶氏

ともに画家である父・馬驍氏、母・王荻地氏の間に生まれ、家族とともに1979年から日本に移住、画家として精力的に作品発表や個展などを行う傍ら、水墨画教室の講師も務める馬氏。
今回は、祖父の代からのルーツを追いながら、「墨絵」の歴史や時代ごとの技法の特徴、日中の文化交流について、唐代から現代までの名画を鑑賞しながらお話しいただきました。
1000年にわたる墨絵の歴史を中国・日本それぞれにおける技法や代表的な画家とその作品を紹介いただきながら振り返ったほか、講師の祖父である画家・王式廓氏とその恩師である洋画家・藤島武二氏との交流についてのお話も。

さらに、「間」「筆さばき」「構図」によって空気や風、作者の気分まで表され、「墨の中に筆あり、筆の中に墨あり」といわれる水墨画ならではの表現についても解説いただいた上に、絵に込められた物語性などを作者自身から伺うことのできる大変贅沢な時間となりました。

講師の父・馬驍氏が水墨画に日本の技法を加え新たに生み出したという「溌墨画」の作品

コロナ禍にあって希望や祈りの思いを込めて描かれたという馬氏の作品

本講座は2021/1/8(金)まで、1/1(金)を除く毎週金曜日の13:00~14:30にZoomウェビナーによるオンライン講座として開講。
次回は12/25(金)、テーマは「分断から交流へー近代日本と中国の社会発展における留学生の貢献」(講師:武蔵野大学教授 欒殿武氏)です。
一般の方々は無料で受講可能ですので、以下URLより事前登録の上、ふるってご参加ください。

2020年度一般財団法人ユーラシア財団 from Asia助成 特別講座