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国連や国際組織での実務経験者から平和構築、核兵器禁止条約について学び、考える。「国連研究」ゲスト講義

グロコミ

2021.07.21

7/7(水)、グローバル・コミュニケーション学科科目「国連研究」(井上実佳准教授)にて、国際機関「日本アセアンセンター」コンサルタントの荊尾遥(かたらおはるか)氏をゲストにお招きしたオンデマンド講義が行われ、核廃絶をはじめとする平和構築について学びました。

荊尾遥氏(左)と井上准教授(右)

講義ではまず、荊尾氏の経歴やこれまでの活動内容について動画で紹介。
荊尾氏が平和構築や化学兵器禁止条約、アジア太平洋地域の軍縮に関わるようになった経緯や、国連や外務省、国際NGOをはじめとする数々の国際組織で積んでこられた実務経験についてお話しいただきました。

次に、荊尾氏が番組制作のリサーチに関わった、国際NGO“ICAN(アイキャン)”の活動等を取り上げたテレビ番組(NHK広島制作(ラウンドちゅうごく「核兵器禁止条約発効 ヒロシマの思いは」)を見ながら、井上准教授との対談形式で講義を展開。
今年1月に発効された「核兵器禁止条約」の採択に際し、ICANが広島や長崎の原爆被爆者や世界各地で行われた核実験によるヒバクシャの声を聴き、被爆者やその周辺の国々と連携することで条約批准国を広げ、核保有国へ対抗していった過程について学びました。

その後は、事前に学生から寄せられた質問について、荊尾氏に答えていただく質疑応答タイムに。
「核兵器をなくすために私たちにできることは?」「秘密裏に核開発・実験を計画する国に対しての対策は?」といった核廃絶に関する質問や、「国際協力分野を目指すには実務と研究(大学院への進学)どちらの経験を積むべきか」などキャリアパスに関する質問にも回答いただきました。
荊尾氏からは「コロナ禍の昨今は、気軽に海外に行けない反面、世界中のセミナーや国際会議などにオンラインで参加できるようになったので、ぜひ興味あるウェビナーなどに積極的に参加することをすすめたい。無駄になる経験はない。学生のうちから様々な経験を積んでほしい」という学生たちへのアドバイスもいただきました。

講義内では、「核兵器禁止条約」や平和構築について「もしあなたが国家の代表だとしたら、あなたが考える政策や行動は?」など、模擬国連(※)で実施されている形式のワークを行い、学生それぞれの意見を述べるという課題も提示されました。
学生たちは今回の授業をもとにレポートをまとめ、さらに学びを深めました。

※模擬国連とは:学生が各国の大使や外交官役となって国連会議をシミュレーションするという活動で、世界大会も行われている。