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相羽美幸准教授(研究分担者)「社会的孤立の生成プロセス解明と介入法開発:健康な『個立』を目指して」がRISTEX研究開発事業に採択

人間科学

2021.11.03

人間科学部相羽美幸准教授が研究分担者として参加する研究プロジェクト「社会的孤立の生成プロセス解明と介入法開発:健康な『個立』を目指して」が国立科学技術振興機構(JST)社会技術研究開発センター(RISTEX)の研究開発事業「社会的孤立・孤独の予防と多様な社会的ネットワークの構築」に採択されました。

■研究プロジェクト
「社会的孤立の生成プロセス解明と介入法開発:健康な『個立』を目指して」
研究代表者:太刀川 弘和 (筑波大学 医学医療系 教授)
研究開発への参画・協力機関:
筑波大学・東洋学園大学・東北大学・弘前大学・東京家政大学・茨城県笠間市・茨城県立こころの医療センター・Humber College・Ben―Gurion University of the Negev・Karolinska Institutetなど

概要:
従来の社会的孤立・孤独研究および実践では、社会的孤立の概念があいまいであり、
その生成プロセスの把握ができていない。加えて、社会的孤立解消に向けた取り組み
は、個別支援にとどまり、予防的介入も行われていない。さらに新型コロナウイルス
感染症の流行と感染対策により、ソーシャルサポートやコミュニケーションの減少な
ど「社会全体の孤立」が生じ、これが自殺危機などメンタルヘルスに大きな影響を与
えた。
本プロジェクトでは、社会的孤立・孤独の生成プロセスを明確化し、孤立のスティ
グマを軽減して重症化を防ぐ適正な介入手法をコミュニティーベースで開発すること
により、個人が健やかに自立生活を継続できる「個立」の生成を目指す。具体的には、
一般成人が抱く社会的孤立者へのイメージ等の社会調査や、社会的孤立の当事者、支
援者を対象とした調査に基づき、社会的孤立の生成プロセスを明確化する。また、社
会的孤立を助長すると考えられるスティグマの潜在・顕在的測定指標や、コロナ禍で
もスマートフォンなどで実施できるアプリケーションを開発し、大規模なオンライン
実験による社会的孤立者の認知的特徴を解明する。さらに個人が健やかに自立生活を
継続できることを目指した予防介入法の開発とコミュニティーベースの効果検証を行
う。孤立前の段階にある中学生、「80」代の親が「50」代の引きこもる子どもの生
活を支える80-50問題に直面する前の中高年を対象に、社会資源の利用やセルフ
ケアなど孤立をメンタルヘルスの危機に至らせない生活方法を学び、コロナ禍でも実
施可能なオンライン予防教育、研修プログラムを作成し、研修を実施して、開発した
指標によりその効果を検証する。