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松井ゼミでNewsPicks鼻戸氏がテレビ番組制作とネットメディアについて講義

グロコミ

2025.08.22

7/2(水)、グローバル・コミュニケーション学部の「動画制作ゼミ」(松井英光教授)にて、番組制作をテーマに授業を実施。元NHKで現在は株式会社NewsPicks Studiosの鼻戸航介氏を特別ゲスト講師として招聘し、番組制作について講義いただきました。

株式会社NewsPicks Studios 演出/プロデューサー 鼻戸航介氏

鼻戸氏はNHK時代に『沼にハマってきいてみた』や『新プロジェクトX〜挑戦者たち〜』などの人気番組のディレクターを務めた経験豊富な制作者です。現在はソーシャル経済メディア「NewsPicks」で演出兼プロデューサーとして堀江貴文さんが司会の番組「HORIE ONE」などを制作されています。

講義では、テレビとネットメディアの制作手法の違いについて詳しく解説いただきました。鼻戸氏は「TVはワンカットが長く、ネットは視聴維持率を重視してカットが早い」と説明し、「ネットでは面白いシーンを前半に詰め込み、テレビでは起承転結を重視する」など、メディアの特性による制作アプローチの違いを具体的に紹介されました。

講義のあと学生たちは2チームに分かれて番組企画のプレゼンテーションを実施。1チーム目は『シラナイZニュース』というZ世代向け情報番組を提案し、税金や選挙など若者が関心を持ちにくいテーマを身近な視点で解説する企画を発表しました。2チーム目は『君の知らない物語 - Alway‘s asking for help -』というSNS誹謗中傷をテーマにしたアイドルのドラマ企画を提案し、現代の社会問題を扱った作品の企画提案に挑戦しました。

鼻戸氏からは「税金をテーマにした企画は非常に面白い。バイト代の明細から住民税の使い道を追うなど、具体的な切り口で制作すれば若者に刺さる番組になる」とアドバイス。ドラマ企画については「人物相関図を作って登場人物の関係性を整理し、伏線を意識した構成を考えることが重要」と指導されました。

また、撮影技術についても「アングルや画角を変えるだけで見え方が大きく変わる。日常的にカメラワークを意識することで表現力が向上する」と実践的なアドバイスをいただきました。

松井教授は「鼻戸氏は私の親戚でもあり、NHK時代から現在のネットメディアまで幅広い経験を持つ貴重な講師です。私が育った民放の制作メソッドは、最低限のルールはあるのですが、最終的には個人の作り手の感性が優先されることの多い感覚的なもので、なかなか言語化の難しい部分があります。一方、鼻戸君の持つNHKで培った制作メソッドは理詰めの論理的なもので、番組制作技術の継承を可能とするスキームであり、学生の指導には極めて効果的です。現在の4年生も、昨年、鼻戸君に指導して頂き、10分間の映像作品を無事に完成させましたが、今年も先日、卒業制作を指導して頂いており、この継続的なPBL型の交流が、学生たちにとってテレビとネットの両方の制作現場を知る機会となり、非常に有意義な授業になっております」とコメントしています。