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心理学検定特1級合格者が語る、三者三様の「心理学」
2022.12.01
2022年、人間科学部の3年生3人が「心理学検定」の特1級に合格!受験者のうちわずか11.06%という狭き門を突破した3人に、「心理学」の面白さや検定を受験した理由、勉強法について聞きました。まるで心理学の幅広い領域を象徴するかのように、学びのきっかけも、勉強スタイルも、将来の目標もそれぞれ違う3人。“人の心について学ぶ”とはどんなことか、大学でどうやって自分を磨いているのか、学びのヒントがたくさん見つかりました。
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Topics 1
企業や組織で心理学を生かしたい(小川竜輝さん)
心理学を学ぶ場は、ファーストフード店のアルバイト?産業・労働分野の心理職を目指して集団や組織の心理学を学んでいる小川さんが語る、特1級合格の秘訣と「心理学」の身近さとは。
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Topics 2
心理学は、自分の「好き」なこと(仲亀詩織さん)
スクールカウンセラーとの出会いがきっかけで、公認心理師を目指す仲亀さん。心理学の学びや資格取得を経て感じる自分の変化、勉強のモチベーションでもあるという先生たちとの関係とは。
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Topics 3
心理の専門性を備えた公務員を目指す(古川結菜さん)
特1級合格のカギは「チョコレート」。「全ての恵まれない子どもを救いたい」と、児童心理司を目指して静かな闘志を燃やす古川さんが思う心理学の魅力と、人間科学部の幅広い学びとは。
Topics 1
企業や組織で心理学を生かしたい(小川竜輝さん)
「『企業内の心理職(カウンセラー)』として、一緒に働く仲間を同じ目線で支えるのが目標」と語る小川さん。
そんな小川さんに、特1級合格の理由や、アルバイトや高校時代の部活など、身近にある「心理」の学びについて聞きました。

心理学検定で実感した「自彊不息」
実は、心理学検定については、猛勉強したという意識はあまりなくて…。
それでも特1級が取れた理由は、「授業」がよかったからかな。と。
この大学の心理系科目は、どの授業でも「自分が経験したことの復習」「共感できる」と難しさを感じることなく学べるのに、しっかりと要点が押さえられているんです。
普段から「授業の間だけは90分間集中」と小さな努力を続け、基礎的な部分が頭に入っていたので、苦手なところや未学習の部分に集中して試験対策ができました。
「自彊不息(自ら弛まず努力を続ける)」※には、普段から60%くらいの努力を積み重ね、必要な時に90%、100%の頑張りを出すのが大切なんじゃないかな。そう思います。
※「自彊不息」は東洋学園大学の建学の精神
心理学は「身近」なもの

心理学って、思ったよりも身近にあるものだと思います。
悩みを抱えた人、障がいのある人のものではなく、もっと身近。
仲間同士、友達同士、先輩や後輩との関わり、それって心理学の根幹だし、立派な心理学の分野なんです。
自分の場合は、高校の吹奏楽部でコンクールに出場するために、リーダーとして「どうやって目標に向けて大勢のメンバーをまとめるか」を考えたことが、「組織」の心理学への興味に繋がっています。
資格は自分の人生経験の証明
大学に入ってからファーストフード店のアルバイトを始めたのですが、企業も「組織」なので、接客に知覚・認知心理学の理論、後輩の指導にはメンタルヘルス・マネジメントの知識…と、心理学が役立つシーンがたくさん。
授業で習ったことを放課後にアルバイトで実践する、いわば「生きているだけで心理学を学べている」状態ですね(笑)。
だからこそ、今回の心理学検定特1級合格は、自分が今まで経験した色々なつながりを証明してくれる実績になったし、「集大成」より「通過点」という気持ちが大きいです。
企業内の心理職(カウンセラー)という目標に向けて、これからも頑張っていきます!

Topics 2
心理学は、自分の「好き」なこと(仲亀詩織さん)
「高校までは『努力するかしないか』だと思っていたけれど、それって結局は主観ですよね。今は『やるかやらないか』、行動でしっかり示そうと思っているんです」と語る仲亀さん。
穏やかな雰囲気に秘められたモチベーションの源について聞いてみました。

心理学は「自分の『好き』なこと」
高校時代から、大学では心理学を学びたい!とずっと思っていました。
心理学の授業は自分で考えて取り組む課題が多く、授業以外にも毎日何かしらの勉強をしているのですが、明確な目標がある上に自分の「好き」な分野なので、学んで新しい知識を得ること自体が楽しいんです。
コツコツと勉強する習慣がつき、特1級にも合格したことで、一番変わったのが「自分に対する見方」。
ネガティブな考えにとらわれすぎず、「自分はやるときはしっかりやる人間だから大丈夫!」と、ポジティブに切り替えられるようになりました。
自分から積極的に「もっと知りたい」と思いながら学び、先生たちに質問をするように心がけていたら、今ではもともと興味があった心理学以外の授業まで面白くなって、視野が広がってきたと感じます。
先生との距離の近さもモチベーション

学部長賞受賞
私は児童福祉系のゼミに所属していますが、この大学には発達心理学、臨床心理学、産業心理学などはもちろん、知覚や認知の心理学など「心理学」だけでも幅広い領域の先生がいるので、自分に合ったゼミや進路を選べるのがいいところ。
先生と学生との距離が本当に近くて、心理専門職としての働き方や現場の雰囲気、領域ごとの仕事内容の違いを聞く機会がたくさんあるし、良いことも嫌なことも話せる関係です。
先生たちの「大丈夫だよ」は無責任じゃない、安心できると感じられるし、「頑張りすぎ」と言われること自体が、「見てくれているんだ、自分は頑張れているんだ」というモチベーションのひとつにもなっています。
夢に向けて、自分らしいペースで
これから、大学院進学の勉強も本格的にスタートします。
一歩一歩段階を踏んで夢に近づいている実感があるので、時には体力やキャパシティを無視して突っ走りたくなるくらい(笑)。
先生たちから「頑張りすぎるタイプ」と言われたこともあるのですが、心理学を学ぶうちに、高校までと比べて自分を一歩引いて眺めて受け入れられるようになり、今は意識してしっかり休息をとるようになりました。
だから、今は自分を信じて、夢に向かって進んでいきたいです。

Topics 3
心理の専門性を備えた公務員を目指す(古川結菜さん)
高校時代、悩んでいた友人との関わりを機に「児童心理司になる」という明確な夢を持って進学したという古川さん。
将来の夢とそのための準備について聞きました。

公務員の勉強と心理学の勉強を両立
公務員である「児童心理司※」を目指し、心理学と合わせて「東京学」「地域課題解決論」「NPO論」など、公務員に関する科目を履修しています。
「子ども」は大人の想像以上に悩みを抱えていると思うのですが、親がいなかったり、児童福祉施設にいたりという環境によっては、相談できないことも多いのではないかと感じます。
私は身近な大人のひとりとして、弱い立場の子どもの味方になれる大人になりたいんです。
※児童心理司…児童相談所などで働く心理職。公務員試験の合格が必要となる。
心理学を応用した「チョコレート勉強法」
資格はメンタルヘルス・マネジメント検定2級と、今回の心理学検定特1級を取得。
心理学検定は試験対策として、約半年、1日5時間くらい勉強しました。
勉強の秘訣は「チョコレート」です(笑)。

「認知行動療法」の知識を応用して「チョコを食べたら勉強する」という習慣をつけたんですが、これが本当に効果的で、今でもチョコレートを食べると自然に「勉強しなきゃ」という気分になるんですよ。
心理学を学んでいると、よく「メンタリスト」とか「人の心が読めるの?」とか言われるんですけど(笑)、そうではなくて、実は「置かれた環境に対する行動などを分析する」側面が強いのかな、と思います。
日常生活の悩みを解決、とまではいかないけれど、物事の「見方」は絶対に変わると思いますし、高校時代と比べて少し人に優しくなれたかな、と思います。
心理を学ぶと、「選択肢」が増える
色々な考えが見つかる、というのが心理学の面白いところかもしれません。
考えの選択肢が増えるというか。
例えば、アルバイト先で怒っているお客様がいたとして、「この人にとって、今ここで怒るという過程は必要なのかもしれない」「原因はここに無いのかもしれない」と、心理学の「リフレーミング」という技法を応用して考えてみるのもいいと思います。
心理専門職にならなくても、心理学の知識って使えますしね。
産業心理学だったら、広告について学ぶ授業もありますし、営業などの仕事にも使えるんじゃないかな。
私自身、「専門職の資格なら公認心理師以外に臨床心理士もある」「大学院に行くならこの参考書を」と先生たちから具体的なアドバイスがもらえていることで、目標に向かう手段がいくつもあると知り、自分の中での選択肢が増えました。
高校の時に抱いた「全ての恵まれない子どもを救いたい」という思いを胸に、将来は子どもたちに「大人を信用していい」と思ってもらえるような児童心理司になりたいです。
