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「秋祭り」で北軽井沢の森林資源活用と地域活性化を!隈本ゼミ×フィノス(株)、産学連携プロジェクト中間発表

産官学連携,現代経営

2023.08.03

現代経営学部の「マーケティングと消費者行動研究ゼミ」(隈本純教授)では、昨年度より森林資源の有効利用と地域ブランディングのための幅広な林業、森林サービス業を手掛けるフィノス株式会社と産学連携プロジェクトを実施しています。

7/21(金)、フィノス(株)の和田雄一社長、平野かおるCMO(最高マーケティング責任者)、一般社団法人嬬恋村観光協会の三ツ野元貴事務局長、植物生態学・環境保全などをご専門とされる東海大学の藤吉正明教授をオンラインでつなぎ、同ゼミ3年生14名が、事業予定地における新規事業アイデアの中間発表を行いました。

ゼミ生たちは、6月に群馬県吾妻郡嬬恋村で学外研修を実施。
北軽井沢の放置別荘地となったエリア一帯を視察したほか、嬬恋村役場未来創造課ならびに(一社)嬬恋村観光協会へのヒアリング、東海大学藤吉研究室(植物生態学・環境保全)との交流などを行い、森林体験交流センター「フィノスの森 北軽井沢」として事業開発する予定地の調査を進めました。

隈本ゼミが産学連携で北軽井沢のリゾート地再生に協力!協力企業や嬬恋村職員へのヒアリング&現地視察

実地調査を経て、隈本ゼミでは「フィノスの森で“秋祭り”を開催する」という企画を考案。
中間発表では、メインターゲットを「夫婦・ファミリー層・カップル」に定め、3つのチームが秋祭りで行う企画を発表しました。

1つ目のチームは、「丸太切り大会」を提案。
森や道路脇に並べられた多数の木材を、参加者が2人一組で両手引のこぎりで切る時間を競う企画で、「2人で力を合わせて困難を乗り越えよう」という思いを込めた体験型イベントです。

「間伐材」という森林資源を活用するアイデア

2つ目のチームは、「地元特産品の販売と燻製加工」というアイデアを提案。
森林資源を活用した燻製器作りや食材の燻製体験、燻製料理の試食といった内容で、食材は全て地元で仕入れるというアイデアです。
各食材の仕入れ先、仕入れ価格、食材の提供方法まで考え抜いた、説得力あるプレゼンを展開しました。

3つ目のチームは、「草軽線廃線跡地の散策」を提案。
フィノスの森敷地に隣接する「草軽電気鉄道」の廃線跡を中心に30分ほど散策する企画で、SNS等の拡散力が高い層や、鉄道好きな観光客へのアプローチも考えたアイデアとなりました。
さらに、同企画に関連して、嬬恋村の人たちの重要な交通手段のひとつであるJR吾妻線の活性化アイデアも。
「食堂列車」と一般車両を融合させたイベント列車を走らせる企画を提案しました。

発表では、それぞれSTP手法を用いた分析とそれに基づいた価格設定、販促活動等のほか、「秋祭り」全体としてのプログラム進行計画、ゾーニング、広報宣伝についても提案。
ビジネスプレゼンテーションとしての完成度を高めました。

その後、各チームから秋祭り実現のハードルとなりそうな課題についての質問タイムに。
「丸太切り大会中の安全面確保のため、人を動員できるか」「森で燻製をする際に煙が出るが、問題ないか」「廃線跡地の散策にガイドを付けることは可能か」といった具体的な質問があがり、和田社長や平野CMO、三ツ野事務局長からそれぞれの見地に基づいたご回答を頂きました。

また、藤吉教授からは「燻製に適しているのは、ブナ科の植物がいい」「燻製は食べごろについて検討が必要」といった的確なアドバイスがあり、ゼミ生たちは真剣に耳を傾けました。

オンラインでフィノス(株)や(一社)嬬恋村観光協会、藤吉教授へ質問

中間発表終了後には、ゼミ生が自主的に反省と今後の方向性を話し合う熱心な姿が。
秋祭り企画の実現に向け、課題を発見する貴重な機会となりました。

隈本ゼミでは今後、中間発表の結果をもとに秋祭り企画の課題解消を進め、テストイベントの実施に向けて取り組んでいく予定です。