Academic Life & Research
教育・研究
情報を精査し、日中関係を見極める。特別講座「未来は共に創る」第3回
2023.10.12
本学では、一般社団法人ユーラシア財団from Asia助成による特別講座を開講しています。
今年は一般聴講者を含む対面での講義が復活し、「未来は共に創る――アジア共同体の新しい地平線」という全体テーマのもと、アジアの諸問題に関する専門家を講師として招へい。
10/5(木)に開催された第3回は、元外交官の孫崎享氏が講師を務めました。

今回の講義テーマは「東アジアの平和に向けて――米中対立の中、日中関係をどう制御するか」。
長年ウズベキスタンやイラン、ロシアなどで外交官として活躍した孫崎氏が、その経験を踏まえた世界情勢の見方、日中関係の今後について見解を述べました。

孫崎氏
講義冒頭、「中国と日本は、本来であれば東アジアの地域、そして世界で最も繁栄し平和を実現できる」と孫崎氏。
ウクライナ情勢を鑑みながら台湾問題について言及しつつ、「日本と中国の外交の歴史をたどれば、日中共同声明(1972年)や日中平和友好条約(1978年)によって日中関係の発展が後押しされる枠組みができている」と説明しました。
さらに、孫崎氏は「先端産業や世界経済においても中国の存在感は非常に大きい」と解説。
正しい情報を基に中国と日本が対立すると日本にどのような未来が訪れるかを分析することや、日々メディアから得られる情報を自ら調べ、真偽を見極めることの重要性を述べました。
講義終了後は、学生から「日本の現状について情報が出回っていないものがあると感じるが、それを知るための方法は?」という質問に、「ソーシャルメディアを自分の武器にすること。信頼できる記者を見つけて、その人の記事を追っていくといい」と回答するなど、活発な質疑応答が行われました。

「日本の現状を客観的に見ようと思った」と感想を述べる学生

質疑応答の様子
同講座は本学学生が履修するほか、一般の方も受講可能な公開講座として開講されています。
各回の講師・テーマ、聴講のお申し込み方法は以下ページよりご確認いただけます。
一般財団法人ユーラシア財団 from Asia 助成 特別講座
https://www.tyg.jp/koukaikouza/oneasia/index.html
※次回10/12(木)の講座はオンラインのみ