Academic Life & Research
教育・研究
ニュース報道の現場で今、何が起きているか。特別講座「未来は共に創る」第12回
2023.12.17
本学では、一般社団法人ユーラシア財団from Asia助成による特別講座を開講しています。
今年は「未来は共に創る――アジア共同体の新しい地平線」という全体テーマのもと、アジアの諸問題に関する専門家や有識者を講師として招へい。
12/7(木)に開催された第12回は、講師として日本テレビ報道局「日テレNEWS NNN」番組総括デスクの福澤真由美氏にご登壇いただきました。

今回の講義テーマは「テレビ報道の現場から見たアジア・ニュースの深層」。
日本テレビに外国籍として初めて入社し、今も報道局・政治部、社会部の第一線で活躍している福澤氏から、報道現場の最前線にまつわるお話や、今後の報道のあり方についてお話しいただきました。

福澤氏
講義前半、福澤氏は「近年、ニュースの利用状況は世界的に変化し、テレビ局でもYouTubeやSNSなどに対応したニュース作りと発信を行っている」と述べました。
「若者のニュース離れ」「オンラインニュースの利用状況の変化」を資料で示した一方で、東日本大震災時に福島中央テレビが福島第一原発1号機爆発の瞬間をとらえた映像を紹介。
「定点カメラのデジタル化が進む中で、アナログカメラが偶然とらえた臨場感・緊迫感あふれる映像である」と述べ、正確性・公平性が担保され、選別する必要がない“ウェブ以前のニュース消費”と、価値づけがされず選別が必要な“ウェブ以後のニュース消費”について解説しました。

世界で初めて原発爆発の瞬間をとらえたという写真を紹介
講義後半には、報道に携わる仕事の醍醐味を「普段行けない場所、会えない人、知らない人に触れ、それを伝えられることである」と語った福澤氏。
「センセーショナルな面だけを切り取るのではなく、時代の流れやニュースの価値、本質を見失わないようにしたい」と、報道のあり方について福澤氏自身の思いを述べて講義を終えました。
質疑応答では、「ニュースソースのSNS利用について」「他の新聞社との連携やフェイクニュースへの取り組みについて」など様々な質問があがり、受講生と福澤氏の活発な意見交換が行われました。
同講座は本学学生が履修するほか、一般の方も受講可能な公開講座として開講されています。
各回の講師・テーマ、聴講のお申し込み方法は以下ページよりご確認いただけます。
一般財団法人ユーラシア財団 from Asia 助成 特別講座
https://www.tyg.jp/koukaikouza/oneasia/index.html