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教育・研究
日本語を母語としない留学生に日本語を教えるには。グロコミ学部「日本語研究2」のゲスト講義
2024.01.05
11/23(木)、グローバル・コミュニケーション学部の「日本語研究2」(依田悠介教授)にて、神戸大学の朴秀娟氏をゲスト講師として招聘。
「外国語としての日本語〜日本語教育の観点から〜」というテーマで、非母語話者に日本語を教えるために必要な知識についてお話しいただきました。

「日本語研究2」は、グローバル・コミュニケーション学部に設置される専門科目であると同時に、日本語教員養成課程の必修授業でもあり、日本語教員志望の学生も受講しています。
当日、学生たちはグローバル社会の中での日本語の立ち位置についてさまざまな角度から検討。
講義前半では、朴氏から「多様な言語環境の中で生まれ育った日本語学習者がどのような目的で日本語を学んでいるのか」「学習者にみられる日本語も多種多様である」とお話しいただきました。

講義後半では、英語と対照しながら日本語の特徴を明らかにしたり、首都圏を中心に話される“東京方言”とその他の方言を比較することで見えてくる日本語の特徴についての説明が。
普段、「東京に住み東京方言を使う学生が当たり前に使う日本語の『している』という表現が、動詞の意味と組み合わさり多様な意味をなしていること」「英語の進行形との違い」「日本語学習者がよくおこす間違いがなぜ生じるのか」「東京方言の『している』が区別できない表現を、西日本の方言では区別ができること」など多数の例をあげ、東京方言の特徴を詳しく解説いただきました。
普段の言語学的アプローチからではなく、「日本語を母語としない留学生と日本語」という観点から新たな知見を得る貴重な機会となりました。
また、朴氏は「日本語研究2」の講義に先立って11/22(水)に東学理論言語学コロキアム(世話人:依田悠介教授)にて、滋賀大学の于一楽氏との共同研究「そこに『コミュニケーション』はあるんか:日・伊・中・韓・英から考える(非)言語メッセージ」というタイトルでご講演をいただきました。
講演では、世界のさまざまな常識や、コミュニケーションストラテジーについて紹介していただきました。

東学理論言語学コロキアムでの朴氏

東学理論言語学コロキアムで発表された于氏
※本講演に関しては「分散形態論の語彙挿入メカニズムの研究:日本語助数詞に注目して:研究代表者 依田悠介(22K00537)の助成を受けています。
依田教授のコメント:
「いつもの授業でも、日本語という言語を世界の言語の一つと捉えたうえで、その一般化的な特性について学んでいる学生たちにとって、留学生の日本語という観点は新しい観点であったと思います。また、日本語学習者について学習する機会は学生にとっておおきな学びとなったと思います」
東洋学園大学では、ゼミの活動を通じて新たな学びの可能性を常に模索しています。
グローバル・コミュニケーション学科の依田悠介教授の言語研究ゼミは、世界の言語を通して人間の認知を探る研究、アニメ・漫画を通してコミュニケーションのあり方の研究などが行われており、外部からの一流の教授陣を講師に招き積極的に交流活動を実施。
学内外のつながりを通して、生きる力を養っています。
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依田教授略歴:専門は理論言語学・認知科学。グローバル・コミュニケーション学部にて「言語研究ゼミ」を担当。これまでに理論言語学に関する論文、日本語教育、(非)言語コミュニケーションに関しての論文を執筆。