Academic Life & Research
教育・研究
若い世代の視点から日中関係の今を見る。特別講座「未来は共に創る」第13回
2024.01.09
本学では、一般社団法人ユーラシア財団from Asia助成による特別講座を開講しています。
今年は「未来は共に創る――アジア共同体の新しい地平線」という全体テーマのもと、アジアの諸問題に関する専門家や有識者を講師として招へい。
12/14(木)に開催された第13回は、「日本と日中をどう見るか――日中若者の視点」を講義テーマに、中日青年産学連合会代表理事の陳霄明氏、東京大学心身発展科学大学院生の王珏氏、中国新疆ウイグル自治区ウルマチ出身ウイグル族のパハルディン氏、上智大学で中国語非常勤講師を務める小田玲実氏の計4名にご登壇いただきました。

講義ではまず、陳氏が前職の金属総合商社のアルミ部門で商品開発から販売戦略までを担う“マーチャンダイザー”として、ビジネスモデルを構築したお話が。
日本と中国をつなぎ、「現地メーカーのWin」「日本企業のWin」「四川アルミ産業のWin」の実現を目指すビジネスモデルについて解説いただきました。

陳氏
続いて、日中の社会と心理を研究する王氏から、中国雲南省のモソ族の紹介と、日中間の学術研究交流や相互理解についてお話いただきました。

王氏
その後登壇したのは、中国新疆ウイグル自治区ウルマチ出身のパハルディン氏。
出身である新疆について、報道では伝わらないリアルな姿を語り、アイヌ民族と比較しながら中国での現況について説明しました。

パハルディン氏
4人目は中国語講師として日中の懸け橋の役目を担う小田玲実氏が登壇。
小田氏が見てきた「中国」と、今も日本人が抱く中国像の相違や、日本と似ているようで似ていない中国の文化を理解する重要性を述べました。

小田氏
最後に、陳氏が「在日中国人の若者に、中国経済を学びながら自己成長する場を提供し、その成果を一般社会に発表したい」という思いで設立した中日青年産学連合会について説明。
日本語で開催される外部向けのイベントや内部向けの勉強会を行い、日中両国の最新かつ正しい情報をより多くの日本人と在日中国人の方に届ける活動を紹介して講義を終えました。

講義後には、朱建榮教授から登壇した4名に「若者が思う日中の違い」や「両国に対して持っているイメージ」を質問。
王氏が日中の学生の違いについて、「中国人学生は学位を取ってから人生が始まる『博士生活』を目指している。日本人は学位にこだわらず、生活の中に博士がある」との見解を語るなど、4名それぞれのご経験に基づいた回答をいただきました。
受講した学生からは、「中国への印象が変わった」「メディアに惑わされずリアルな中国を理解したい」といった感想があがりました。
同講座は本学学生が履修するほか、一般の方も受講可能な公開講座として開講されています。
各回の講師・テーマ、聴講のお申し込み方法は以下ページよりご確認いただけます。
一般財団法人ユーラシア財団 from Asia 助成 特別講座
https://www.tyg.jp/koukaikouza/oneasia/index.html