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英コミ

アニメ業界のビジネスと制作現場の現状を人気プロデューサーに学ぶ特別講義

英コミ

2025.07.11

6/25(水)、グローバル・コミュニケーション学部の「ビジネスとコミュニケーション」(松井英光教授)にて特別ゲスト講師として株式会社AT-X代表取締役の東不可止(あずまふかし)氏を招聘し、アニメ業界の現状とプロデューサーの役割などについて講義をしていただきました。

株式会社AT-X代表取締役 東不可止(あずまふかし)氏

東氏はテレビ東京で長年アニメ制作に携わりアニメ『銀魂』や『NARUTO-ナルト- 疾風伝』など、数多くの人気作品をプロデュース。現在はアニメ専門チャンネルを運営する(株)AT-Xの代表として業界の最前線で活躍されています。

講義では、まずアニメ業界の現状について詳しく解説いただきました。年間300本以上のアニメ作品が制作される現在の状況や、配信プラットフォームの普及により視聴方法が多様化していること、そして海外市場での日本アニメの人気拡大について、具体的なデータを用いて説明されました。

東氏と松井教授は中学・高校時代の同級生

一方で、業界が抱える課題についても率直にお話しいただきました。制作費の高騰や、アニメーターの労働環境の厳しさなど、華やかな成功の裏にある現実的な問題についても詳しく解説。また、制作委員会方式の課題や、AI技術の活用可能性についても言及され、学生たちは業界の光と影の両面を学ぶことができました。

講義後半では、アニメプロデューサーの具体的な仕事内容について説明いただきました。企画から脚本、キャラクターデザイン、制作、宣伝まで、アニメ制作の全工程におけるプロデューサーの役割を、東氏の豊富な経験をもとに分かりやすく紹介していただきました。

プロデューサーの仕事は単に作品を管理するだけでなく、多くの人が携わるアニメ制作において、監督やクリエイターの「作りたいもの」と、視聴者の「求めているもの」をマッチングさせ、ビジネスとして成立させることだと説明。プロデューサーには、企画に対する熱量と作品への「愛」が不可欠であると強調されていました。

人気アニメの制作秘話に学生も大盛り上がり

質疑応答では、おすすめのアニメの質問から、銀魂の制作秘話まで話が広がりました。特に銀魂のエピソードでは、放送ギリギリを攻めた制作の裏話を披露していただき、会場は大いに盛り上がりました。

松井教授は「東さんとは中学・高校の同級生であり、当時はオタクという言葉が世の中にまだ浸透していない中で、アニメオタクの先駆けとして、本気で熱中されていた印象が強いです。そんな彼が、アニメの世界で日本を代表するプロデューサーになり、業界のトップに立つという、まさに『好きなことを仕事にする』成功例を学生たちに示して頂き、長年の親友としても誇りに思っております。今回は、アニメ業界の現状と課題を包み隠さずお話しいただき、学生たちにとって非常に貴重な学びの機会となりました」とコメントしています。