Academic Life & Research
教育・研究
卒業生も登壇。社会的養護の子どもたちに寄りそうゲストを迎えた「福祉心理学」特別講義
2026.08.26
東洋学園大学では、都心の立地や大学の持つ様々なリソースを生かした「TOGAKU PBL」(PBL=課題解決型学習)を積極的に推進しています。
7/10(金)、人間科学部「福祉心理学」(塩谷隼平教授)が、虐待や貧困など「社会的養護」を必要とする子どもたちを支える仕事についての特別講義を実施。
NPO法人チャイボラより小林努氏、児童養護施設「こどものうち八栄寮」のケアワーカーで本学卒業生の花岡壮太氏を迎え、社会的養護を支える現場のリアルを学びました。

小林氏(左)と花岡氏(右)
NPO法人チャイボラとコラボしたこの特別授業は、今年で5年目を迎えます。
今年も、まずは児童虐待の相談・対応件数や虐待の種別など「社会的養護」のリアルについて、小林氏よりクイズを交えながらわかりやすくお話しいただきました。


児童養護施設や自立援助ホームで活動された経験を持つ小林氏
「児童虐待相談対応件数は約22万人/年、つまり日本全国のどこかで2分22秒に1件のペースで相談されている」という驚きの話も。
昔と今とでは「児童虐待」の捉え方や報告のしやすさが変化していることもあり、この数字の背景には「児童虐待」の顕在化があると考えられます。
その一方で、特に低年齢の子どもは周囲の家庭との比較がしづらく、自分がネグレクト状態であることに気づけないこともあり、潜在的な「児童虐待」もまだまだあるとの報告もありました。

続いて、社会的養護施設の種類や役割についての解説へ。
児童養護施設をはじめ、乳児院、母子生活支援施設、児童心理治療施設、児童自立支援施設、そして社会的養護“最後の砦”とも言われる自立援助ホームなど、親などと暮らせない子どもたちを支える施設の役割を改めて整理しました。
また、児童養護施設の紹介動画では、働く職員の声や施設内の様子も視聴。
「新卒でも給与水準が高くなっている施設がある」「離職率が低く、子育てと両立する職員も多い施設がある」などのお話もありました。
その流れで、実際に児童養護施設でケアワーカーとして活躍中の卒業生・花岡さんが登壇。

学生時代の小学校ボランティアの経験から、現在働く「こどものうち八栄寮」での1日のスケジュール、どのような子どもたちが入所しているのか、職員間の人間関係など、リアルな話を色々と伺いました。

小学生~高校生までの男子が暮らすユニットで子どもたちの生活を支える花岡さん
学生とのQ&Aでは、施設で働くスタッフや入所している子どもたちについての質問が続出。
「異業種からの転職者は多いのか」「高校など進学先は子どもの意志で決められるのか」「子どもとは何でも話していいのか」「大変な(支援が難しい)子への怖さはないか」「成人後にも職員との関わり・サポートはあるのか」など、現場の方にしか聞けないような質問にも丁寧にお答えいただきました。

最後に、「この機会に児童養護施設出身の子どもたちが社会にたくさんいると知ってほしい」(花岡さん)、「(世の中にはまだ)施設に対する誤解もあるが、魅力もたくさんあるので、色々な施設を実際に見てほしい。ぜひチャボナビを使って見学会に参加を」(小林氏)というメッセージが。
配布された「こどものうち八栄寮」の見学会のチラシやチャボナビのサイトを熱心にチェックする学生も多く見られ、社会的養護の状態にある子どもたちをどう支えるか、という社会課題や将来の進路について考える好機になったようです。