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教育・研究
特別講座「世界の分断が進む中でアジア共同体を再認識する」第4回 「ノーモア沖縄戦 ノーモア日中戦争」
2026.10.21
本学では、一般財団法人ユーラシア財団from Asia助成による特別講座を開講しています。
2年ぶりに開催される今年は、「世界の分断が進む中でアジア共同体を再認識する」という全体テーマのもと、アジアの諸問題に関する専門家や有識者を講師として招へい。
全15回のオムニバス形式で講義を行います。
10/8(木)に開催された第4回は、講師として元琉球新報編集委員の新垣邦雄氏にご登壇いただきました。
今回の講義テーマは「ノーモア沖縄戦 ノーモア日中戦争」。
現在「ノーモア沖縄戦 ぬちどぅ宝の会」事務局長であり、長年ジャーナリストとして活躍してきた新垣氏に、沖縄および全国各地で進む軍事化の現状や、日米安全保障体制のあり方を見つめ直し、平和を守るための課題や今後の日本のあり方についてお話しいただきました。

新垣邦雄氏
講義冒頭、新垣氏は、直近の沖縄県知事選の結果に触れた後、全国各地の空港や港が「特定利用空港・港湾」に指定されている現状について言及。
「特定利用空港・港湾」は、自衛隊・海上保安庁が、 平素から必要な空港・港湾を円滑に利用できるよう、インフラ管理者との間で「円滑な利用に関する枠組み」を設けるものです。
沖縄だけでなく日本全国で、「身近なインフラが防衛や軍事利用にも対応した形へと急速に変化している」(新垣氏)実態について、具体的な資料を交えながら解説しました。
講義中盤では、辺野古の新基地建設を巡るアメリカ国防総省の文書や、元米国務省日本部長(ケビン・メア氏)の発言などに言及。
「沖縄の負担が軽減されないどころか、さらなる軍事利用への組み込みが進んでいる」(新垣氏)という構造的課題について指摘しました。

講義後半は、ミサイル配備やシェルター建設など、国内で加速する防衛強化の動きについて疑問を投げかけた新垣氏。
「現在進められている動きは中国との対立や台湾有事を想定しているとされるが、果たして本当に中国が戦争の相手なのか。対話を重ねていくべき対象であり、決して戦うべき相手ではないはずだ」と自らの見解を提示。
ウクライナ情勢など国際社会の動向とも比較しながら、軍事力依存に陥ることなく対話と外交を重んじる姿勢の重要性を強調しました。
最後に、次世代を担う大学生に向け、「一方的な情報や世論に惑わされることなく、現地で何が起きているのかファクト(事実)を自分の目で確かめ、疑問を持ち続けてほしい。そして、平和な未来をつくるために自分の言葉で意見を発信し、対話していく姿勢を大切にしてほしい」と語りかけ、講義を終えました。

講義終了後には質疑応答の時間が設けられ、「県知事選について、現職に対し新人が圧勝した理由として、県民の何が変わった結果なのか」という質問に対し、「県民が大きな変化を望んだ結果ではないか」と推察しつつ、「沖縄の経済や貧困問題と、基地問題という2つの課題がある以上、民意が揺れ動くのは避けられない」という回答をいただきました。
同講座は本学学生が履修するほか、一般の方も受講可能な公開講座として開講されています。各回の講師・テーマ、聴講のお申し込み方法は以下ページよりご確認いただけます。