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教育・研究
特別講座「世界の分断が進む中でアジア共同体を再認識する」第5回 「アメリカの過去、現在、将来」
2026.10.27
本学では、一般財団法人ユーラシア財団from Asia助成による特別講座を開講しています。
2年ぶりに開催される今年は、「世界の分断が進む中でアジア共同体を再認識する」という全体テーマのもと、アジアの諸問題に関する専門家や有識者を講師として招へい。
全15回のオムニバス形式で講義を行います。
10/15(木)に開催された第5回は、講師として明治大学政治経済学部特任教授で、元共同通信論説委員長の杉田弘毅氏にご登壇いただきました。
今回の講義テーマは「アメリカの過去、現在、将来」。
長年にわたり国際報道の第一線で活躍し、アメリカ政治や国際情勢に精通する杉田氏に、超大国アメリカが歩んできた歴史やその特異性、現在直面する政治・経済の課題、そして今後の世界や日本に与える影響についてお話しいただきました。

杉田弘毅氏
講義冒頭、杉田氏はアメリカという国の特異性について言及。
地理的優位性(海の利)や資源・経済力・若さといったアメリカの強みを挙げつつ、約10年に1度のペースで大規模な戦争・軍事介入に関わってきた歴史や、キリスト教福音派やユダヤ社会の影響など、アメリカ独自の多様な側面を解説しました。
講義中盤では、近年のアメリカ政治を揺るがす「トランプ時代」の背景と課題を取り上げました。
経済格差や不満を背景とした政権の誕生をはじめ、イラン戦争の泥沼化、ガソリン価格高騰によるインフレ、ホワイトハウスの私物化・汚職といった「負の遺産」の実態を提示。
2026年11月の中間選挙を控え、有権者の最大の関心が「物価高による生活苦(Affordability)」や民主主義の保護に向かう中、現政権が厳しい逆風に直面している現状を分析しました。

講義後半は、中間選挙後の世界情勢や日米関係のゆくえに話題が及びました。
イランやウクライナをめぐる紛争の着地点や、「求心力を失い始めた」とも言われるアメリカ政治が与える国際社会への影響を考察。
アメリカの外交・防衛コミットメントの変化が懸念される中、「日本としても米国に過度に依存するだけでなく、国際社会における独自の外交力や現実的な対話・合意形成へのアプローチが求められている」と主体的な対話と外交力を持つことの重要性を指摘しました。
最後に、杉田氏は「アメリカはどこへ向かうのか」というテーマに対し、「アメリカは政治パワーが弱まってきているが、『海の利』や強い経済、科学技術への信仰、実験国家としての柔軟性など、多くの強みがある。政治のトップに新たなリーダーが現れれば、アメリカは再び復活する可能性が大いにあるだろう」と自らの見解を語り、講義を結びました。

講義終了後には質疑応答が行われ、「ウクライナやイランでの戦争はどうなるのか。終結への見通しは」という質問に対し、各国の歴史的背景や「犠牲に対する受容力」の違いを踏まえた分析が示されました。
同講座は本学学生が履修するほか、一般の方も受講可能な公開講座として開講されています。各回の講師・テーマ、聴講のお申し込み方法は以下ページよりご確認いただけます。
一般財団法人ユーラシア財団 from Asia 助成 特別講座