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[現代経営研究会] 第2回はソニーグループ(株)会長・吉田氏が登壇

PBL,地域間連携,大学間連携,現代経営,大学院

2026.10.29

東洋学園大学では、都心の立地や大学の持つ様々なリソースを生かした「TOGAKU PBL」(PBL=課題解決型学習)を積極的に推進しています。

さまざまな業界・企業の経営者をお招きし、現代社会を読み解くヒントを学ぶ「現代経営研究会」。
現代経営学部「トップマネジメント特別講義」、および文京学院大学との単位互換科目ともなっているほか、一般の方々にも毎年多くご参加いただいています。
第19期となる今期は「未来へ」を年間テーマに、全5回の講演を対面・オンラインの併催で開催します。

10/21(水)に行われた第2回講演は、ソニーグループ株式会社 会長 吉田憲一郎氏が登壇。「感動を『届ける』から、感動を『創る』へ」をテーマに、ウォークマンやトリニトロンカラーテレビで感動を届けてきたソニーが、事業環境の変化による苦境を乗り越え、構造改革を経て、現在ではクリエイティブエンタテインメントカンパニーへと進化した過程をお話しいただきました。

講演は、1946年に創業したソニーと、ご自身の歩みを振り返るところから始まりました。大学を卒業し、ソニーに入社後は財務やIRなどの業務を中心に従事された吉田氏。日本最長記録ともいわれる株主総会や、秋葉原で家電量販店向けの営業をご担当された経験をご紹介いただきました。

ソニーの成長を支えた革新的なヒット商品

その後、社長室長を経て、経営に携わりたいという思いからソネットへ移り、2005年に社長に就任。ソネットがソニーの完全子会社となったことを機に、2013年に再びソニーへ戻り、2018年に社長兼CEOに就任しました。
講演では、自らのキャリアを振り返りながら、節目ごとにどのような考えで道を選んできたのかを、率直に語っていただきました。

吉田氏がソニーに復帰した当時、同社は7期連続の赤字で、累計約1兆円の損失を抱えていました。
特に、PC事業では3年間で約2,000億円、テレビ事業では10年間で約8,000億円の赤字という経営状況だったそうです。
こうした状況を打開するため、吉田氏はPC事業の撤退とテレビ事業の分社化を実施。
さらに、半導体とバッテリーの両方への投資が難しいと判断し、半導体事業を選択して、バッテリー事業を村田製作所へ譲渡しました。こうした事業の選択と限られた経営資源をどこに集中させるかが、ソニーの経営構造の転換につながりました。

次に今回のテーマである「感動を『届ける』から、感動を『創る』へ」の核となる、「半導体とコンテンツ」への成長投資について、語られました。

吉田氏は、「前社長の平井一夫氏がソニーの企業理念をテクノロジーと言わずに『感動』だと言いきった」というエピソードを紹介。
その「感動」というキーワードを踏まえてソニーの事業をコンテンツ・プロダクト・コンポーネントの三つのレイヤーから捉え直し、感動を創るクリエイターと感動をするユーザーを起点に、感動を「創る」と「届ける」に分けたそうです。
現在は、プロダクトでは、感動を生み出すコンテンツを創る、ミラーレスカメラやデジタルシネマカメラに注力し、クリエイターの映像表現を支えています。
また、コンポーネントでは、スマートフォンのカメラなどに使われるCMOSイメージセンサーに注力しています。自動車やロボットなど、幅広い分野での活用も進んでいます。

コンテンツでは、コンテンツ制作を強化。例えば、音楽事業では、ストリーミング配信の普及により昔の楽曲の価値が向上しました。これを捉えて、2018年にはEMI Music Publishingを完全子会社化し、その後もMichael JacksonやPink Floydなど、大型の音楽カタログを買収しました。コンテンツを「創る」側に、8年間で約2.1兆円を投資しました。

コンテンツでは、強みのある領域で感動を「届ける」ことにも取り組んでいます。ゲームでは、PlayStationを通じてユーザーとのコミュニティを築き、世界で月間1億2,500万人がプレーするプラットフォームへと成長。アニメでは、アニメ専業の配信サービスであるクランチロールが日本のアニメを届けています。

一連の経営改革を経て、ソニーは2017年には過去最高利益を達成。以降1兆円前後の純利益を出せる企業へと成長を遂げました。

吉田氏は一連の変革を支えたのは、自身のCEO就任初年度に策定した、「クリエイティビティとテクノロジーの力で、世界を感動で満たす」というソニーのPurpose(存在意義)だと語り、講演を締めくくりました。

質疑応答では、学生代表の阿部未央さん、現代経営学部の會澤専任講師をはじめ、多くの参加者から事業の撤退を決断することの難しさや、経営者として大切にしていることなどについて質問が寄せられました。

次回の現代経営研究会は11/11(水)に開催。LINEヤフービジネスパートナーズ株式会社代表取締役社長の富永翔氏と株式会社SpinLead代表取締役の高橋友也氏を迎え、「東洋学園で学び、社会に挑み、未来を創る。卒業生経営者が語る、挑戦の軌跡と次の100年。」という演題で講演いただきます。

詳細・受講のお申込み(事前登録制)は以下リンク先にてご確認ください。
現代経営研究会|東洋学園大学公式サイト